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事業経営において、利益を増やすためには「売上を上げる」か「経費を抑える」の2つの方法しかありません。
安定的な事業経営の達成には、売上は経費よりも高くあるべきで、経常利益が黒字化しているべきです。
介護施設の経営において、「経費削減」に取り組めていない事業所は意外と多いです。「経費削減」は、正しいノウハウを知り、実践するだけで、比較的容易に利益を創出できます。
本記事では「経費削減」に繋がる5つの具体的方法を解説致します。介護施設の経営者の方は、ぜひ最後までご覧下さい。
「経費削減」と聞くと、マイナスのイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
しかし、これらのイメージは間違いです。
経費は削減することで、業務のムダ・ムリ・ムラを軽減でき、働きやすい環境作りにも繋がります。
冒頭にもお伝えしましたが、利益を上げるためには「売上(収入)を上げる」「経費を抑える」の2つの方法があります。
どちらも取り組むべき課題ではありますが、経費削減は会社内部の努力によって実現できるため、収入を上げるより取り組みやすいと言われています。
経費削減に成功すれば、少ない売上でも利益を出せるようになります。
ただし、経費削減は職員の意識改革だけで行うのは、思うように実現せず難しいです。
例えば、以下のような取り組みで経費は削減できますが、目に見えるような即効性はなくインパクトは小さいです。
当然、このような意識を職員に持っていただく取り組みは大切ですが、経費削減は固定費を削減する仕組み化がおすすめです。
経費には、「固定費」と「変動費」があります。
経費を安定的に削減するためには、固定費の削減に注力するのがポイントです。
固定費:人件費、水道光熱費、通信費、消耗品費、広告宣伝費、家賃、修繕費など…
変動費:介護用品費、給食材料費など…
利益を確保するためには、変動費よりも固定費の削減に努めることが非常に大切です。
なぜなら、売上(収入)が下がったときに、固定費は下げられませんが、変動費は調整しやすいためフロー(支出するお金)を抑えられるからです。
収入とは関係なく毎月払わなければいけない固定費の比率が高いと、稼働率の低下などで収入が減少した時に、赤字に転落しやすくなります。
経営において、固定費をいかに抑えるかはとても重要なポイントになります。
経費削減には、さまざまなものがありますが、今回は、現場の負担も少なく、即効性が見込めると考えられる5つの取り組みをご紹介します。
一般的に、介護施設はオーナーから建物を賃借しています。特に老人ホーム、グループホームでは20~25年という長期スパンで賃借しているケースも多いです。
介護施設では、賃料の減額交渉を行っていない事業所が多いという調査結果があります。
理由としては「賃料削減のために交渉をすると大家さんとの関係が悪化してしまうのではないか」という不安感や「減額請求なんてこと、してもいいのか」という、テナントを貸してもらっていることに対する“義理人情”が多いようです。
賃料の減額交渉は、法的にも認められており問題のない行為です。経営状況によっては、建物や設備の減価償却も勘案しながら減額請求することが大切です。
一方で、交渉が難しいケースも存在します。例えば、以下のような事例です。
費用対効果を考え、交渉の専門業者への外部委託するのも1つの選択肢です。
通信費とは、固定電話やインターネットの回線費、携帯電話の利用料などです。
実際、私が勤めていた施設は、何年も使われていない電話回線やネット回線があり解約した経験があります。
また、料金システムなども新たなものが出ており、もっと安く利用できる場合もあります。例えば、携帯電話であれば大手キャリア(ドコモ、au、Softbank)ではなく、MVNOと呼ばれる格安通信業者に切り替えるのも有効な手段です。
現在利用しているプランの見直しも含めて、再度チェック、検討することをおススメします。
水道代の節約には、蛇口やシャワー口に付ける節水機器を活用する方法があります。
介護施設では、入浴、排泄、洗い物など水を使用する機会が多いです。
「節水」への職員の意識改革という選択肢もありますが、意識にばらつきが生じ思うように削減できないケースは多いです。実際、浴室や洗い物時の水の出しっぱなしは、よく見かる光景です。
一方で、節水機器は取り付けるだけで、放水量を抑えてくれます。介護施設でも水道代が20%も削減できた事例もあるようです。お試し導入を無料でできる業者もありますので、検討してみてください。
2016年(平成28年)4月1日以降は、電気の小売業への参入が全面自由化され、家庭や商店も含む全ての消費者が価格やサービスの観点で電力の購入先を自由に選択できるようになりました。
介護施設では、24時間365日冷暖房や照明など使用しているところが多く、電気料金の節約が可能であれば、大きな費用削減に繋がります。電力会社の見直しやプランを再検討する価値は十分にあります。
また、LED照明への切り替えも有効です。LED照明の価格は発売当時は高かったものの、最近は安くなってきました。
LED照明推進協議会によると、白熱電球の寿命が1,000~2,000時間であるのに対し、LED照明の寿命は40,000時間とされています。消費電力が少ないために月々の電気代が安くなり長く使える点が魅力です。照明を交換する手間が省けることも業務の効率化に繋がります。介護施設は照明の数も多いため、費用削減のインパクトは大きくなります。
介護施設は、おむつやトイレットペーパー、洗剤などたくさんの消耗品を仕入れています。仕入れ業者に定期的に相談し、安く仕入れる方法を模索することは大切です。
ただ、実際に現場で使用するものですので、使い勝手や質の低下のリスクも考慮したうえで、商品の変更などは進めていく必要があります。
また、消耗品の使用に関しては、ユニット単位で見える化しておくことを推奨します。利用者数が同じにも関わらず、ユニット別で消耗量が大きく違うことがあります。適正な使用方法を見極め、必要性に応じて、改善していくことが大切です。
介護現場の人件費の削減方法は、人を減らすことではなく、少ない人員でも回る仕組みを作るということです。そのためには、「業務の効率化」が必要です。
介護現場では、まだまだ、「業務の効率化」ができていないところが多くあります。
上記のような非効率的な業務・環境が利用者と関わる時間を奪い、残業時間の増加に繋がっています。当然、残業代は経費です。
業務の必要性を見極め、無駄な業務の廃止・統合、また、ICT化を進めることで業務効率化を図ることができます。
業務が効率化された働きやすい環境は、離職率の低下、採用コストの削減にも繋がり、計画削減のインパクトは意外と大きいです。
最後に、発展的かつ抜本的な施策です。
もし、改善点が見つからない、分からないとお悩みであれば「経営状況を数字で見える化」することが効果的です。
介護経営ラボでは、画像のように事業所の数字を見える化する取り組みをご支援しております。例えば、以下のような数字を月次で分かるようにし、改善策を検討しやすい仕組みを取り入れています。
特別養護老人ホームの場合
なお、介護経営ラボではこのレポートを「経営管理指標レポート」と呼んでおります。このレポートは以下のフォームにご入力いただいた方に限定で無料配布しております。
入力いただいたメールアドレスにレポートのサンプルが届きますので、ご確認ください。
経営管理指標レポートのメリットは、利用者の増減(出ていく人・入る人)の予測がたち経費の増減も見込むことができる点です。
また、売上の上がり下がりも過去にさかのぼって分かるため、売上アップ・ダウンの原因分析等が楽になります。
経営管理指標レポートは事業主さまごとにオーダーメイド型で作成しておりますので、ご興味がありましたら以下のフォームからまずはお問い合わせください。
経営管理指標レポートの作成依頼やご相談はこちら
経費削減の方法はさまざまなものがあります。
今回は、現場の負担は少なく取り組めるものを中心にご紹介致しました。
「経費削減」の目的は、無駄・不要な経費を使わないようし、利益を増やすことです。「経費削減」は1つの手段でしかありません。目的になってしまうと、会社経営に必要なものまで削減してしまう可能性が生じるので注意が必要です。
また、「経費削減」は、経営者や管理者だけが頑張っても、意味がありません。
現場にもしっかり意図を伝え、どこに経費の「ムラ・ムリ・ムダ」があるかを一緒に考えて、組織が一丸となって取り組める仕組みを作っていくことが重要になります。
「介護施設での離職者が絶えない…」 「介護施設の利用者様を増やしたい…」など
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