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マスメディアで高齢者虐待の報道を目にしたことがない方はいないと思います。
今回は、介護施設内で起きている虐待の今を読み解きます。
「なんで高齢者虐待って起きるの?」
「どうやって防げばいいの?」
そんな疑問を専門家監修のもと、わかりやすく解説しています。
介護の仕事は、排せつ交換や入浴介助など日々の暮らしを支えることですが、時にケアが思うようにいかないことも沢山あります。
全て冷静に対応することは難しく、介護従事者がイライラしたまま利用者に接してしまうと暴言を吐いてしまったり、身体的な虐待、見えない心理的虐待につながります。
高齢者虐待は家族の通報や従業員の通報により発覚しますが、そもそも介護施設内で暴言や虐待が日常化しており「虐待」と気付いていないことが実際にありました。
そういった施設は離職率も高い傾向にあり、新人が定着しないというもの感覚麻痺の原因です。
厚生労働省の調査によると、養介護施設従事者(介護スタッフ)による虐待件数は令和元年度644件でした。
通報件数は2,267件で過去最多を記録しています。(前年度比3.7%増加)
あくまでも644件という数字は通報件数から虐待判断された件数なので、最低644件ということになり、実際の件数は2倍、3倍の可能性もあります。
高齢者虐待とはいえ「うちの事業所はない」と考えている方がほとんどではないのでしょうか。
ここからは高齢者虐待を5つに分類して解説していきます。
身体に外傷が生じる又は生じるおそれがある暴行を加えること。
例)食事を無理やり食べさせること、殴る、蹴る、溺れさせる
自尊心を傷つけるような発言
例)「死ね」「早くやれ」「認知症だから何言ってもわからないわ」本人に向かっての発言等
故意(わざと)に介護サービスを提供しない
例)安全を確保するための管理を怠る、排せつ交換を著しく減らす、睡眠時の安楽な体勢を確保していないことによる皮膚状態の悪化等
財産の横領したり、金銭の使用を理由なく制限すること
例)日常的に使用するお金を不正に制限する、事業所に金銭を寄付・贈与するように強要する
あらゆる形態の性的な行為
例)人前で排せつをさせたり(プライバシーを無視した)、オムツ交換をしたりする
厚生労働省の調査によると、介護従事者による虐待において判定された1060人(令和元年)のうち身体的虐待が60%と過半数を占めています。
2020年9月、介護従事者が認知症を患っている80代男性に計42回暴行。
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202011/0013862980.shtml
2021年8日、入所していた認知症を患っている87歳女性の頭や顔を殴り、重症を負わせた。
https://mainichi.jp/articles/20210914/k00/00m/040/120000c
2011年6~9月、入居者のキャッシュカードを盗み合計510万円を横領。
http://www.care-mane.com/news/2237.html?CID=&TCD=3&CP=1
介護施設内で高齢者虐待を未然に防ぐために、高齢者虐待の基礎知識を知ることは必須ですが、虐待の種別や実際に起きた事例を理解しただけでは虐待は絶対に防げません。
介護施設内で高齢者虐待をしてしまう可能性が最も高いのは、利用者の前に立つ介護従事者です。
虐待が起きる原因でも記したとおり、虐待が起きる原因は「介護従事者のストレス」「施設内の感覚麻痺」です。
介護従事者自身の精神コントロールももちろん大切ですが、事業所が虐待防止に取り組み「虐待を起こさせない職場環境」を創ることが必要です。
「虐待を起こさせない職場環境」の条件は「働きやすい環境つくり」です。
介護従事者のストレスケアをするために気軽に相談できる環境が必要です。
リーダー・管理者のマネジメント能力を高めることで、職場の人間関係が改善され、虐待防止につながります。
施設内の感覚麻痺(気づかないうちに虐待が起きてしまっている)が起きている場合は、理念に基づいた教育ができていないことがほとんどです。
誰に対して、どんな方法で、ケアを受ける人にどうなって欲しいのか。
その理念を担保するためには、どういう教育が必要なのかを考え、ストレスフリーな教育の仕組みを作る必要があります。
下記にリストを用意しました。実際の事例を基に作成しております。
1つでも当てはまった場合は虐待が起きてしまう環境に近いので、必ず対策しましょう。
弊社は1時間の無料相談を受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
いかがでしたか?今回は、高齢者虐待は環境によって起きてしまうということと、虐待を理解するだけでは防げないこと。虐待を防ぐには職場環境を見直すことをお伝えしました。
虐待が発覚してしまうと、最悪指定取り消しになるケースもあります。
事業所で防げる虐待をまず理解し、事業所を客観的に分析。課題を見つけ対策することが大切です。
監修:片山海斗
「介護施設での離職者が絶えない…」 「介護施設の利用者様を増やしたい…」など
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