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「契約書と何が違うの?」「掲載は本当に義務なの?」
といった疑問から、現場で起きがちな「古い書類を使ってしまうミス」の防ぎ方まで、
厚生労働省のルールを噛み砕いて解説します。
自治体ごとに細かなルールは異なりますが、まずは「これだけ押さえれば運営は回る」という本質を持ち帰ってください。
この記事の要約
重要事項説明書は、利用者(利用申込者)にサービスを選んでもらうために、事業所の運営や提供内容、料金、相談窓口などの“選択に資する情報”を文書で示し、説明したことを残すための書類です。
ここで混同しやすいのが、契約書・運営規程との役割の違いです。
専門家の声書類は「あるか」より「つながるか」が見られます。重要事項説明書・運営規程・料金表が同じ内容になっているか、版管理まで含めて点検してください。
運営指導(実地指導)での見られ方や、指摘がどこから始まるかは、運営指導の概要とリスク対策や、訪問介護に絞った実地指導の対策ポイント(訪問介護)も参考になります。


訪問介護では、運営基準省令により、提供開始前に重要事項を書面で示して説明し、同意を得ることが求められています。
指定訪問介護事業者は、指定訪問介護の提供の開始に際し、あらかじめ、利用申込者又はその家族に対し、…重要事項を記した文書を交付して説明を行い、…同意を得なければならない。
出典:厚生労働省「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」
重要事項説明書は「説明した」だけでは不十分で、「説明した内容が書面で残り、同意が取れている」ことが必要です。
運営指導では、利用者ファイルに“同意が確認できる版”が入っているかまで見られます。
同じ条文の中で、利用者等から申出があり承諾を得た場合は、重要事項を電磁的方法(情報通信の技術を利用する方法)で提供できる旨が定められています。
加えて、受け取った側が出力(印刷)できること、方法の種類・内容を示して承諾を得ることなど、手続も条文上はっきりしています。
また、厚生労働省資料では、ケアプランや重要事項説明書等の説明・同意について、電磁的記録による対応を原則認めること、署名・押印を求めないことも可能であること(代替手段の明示を含む)などが示されています。



電子交付は便利ですが、運用が雑だと説明が止まります。「申出→承諾→提供→保存」の順番が、記録で追える形にしておくと強いです。
訪問介護では、重要事項は事業所内の見やすい場所に掲示することが基本です。書面の備え付け+自由閲覧で代替することもできます。さらに、原則として重要事項をウェブサイトに掲載する規定も置かれています。
「書面掲示」規制の見直しとして、重要事項等をウェブサイトに掲載・公表する方針は、令和6年度介護報酬改定の資料でも示され、令和7年度から義務付けと明記されています。


ウェブ掲載は「自社ホームページがないと詰むのか」で止まりやすいです。
先に答えを言うと、厚生労働省の通知では、運営基準省令でウェブサイト掲載が求められる重要事項について、
介護サービス情報公表システムで当該重要事項を公表したことをもって、掲載を行ったとみなして差し支えないとされています。
同趣旨は、厚生労働省の別のQ&Aでも「介護サービス情報公表システムに重要事項を掲載している場合はウェブサイトに掲載されていることになるか」という問いに対し、「そのとおり」とされています。
ウェブ掲載に載せる「重要事項」は、通知上、例として次の項目が挙げられています。
※公開先(法人サイト/介護サービス情報公表システム)や公開方法は、自治体の案内に合わせてください。
この表は最低限満たすべき重要事項説明書のチェック表です。
このまま点検に使えますので、ぜひ使って運営指導対策に励みましょう。
| 確認項目 | 何を見る | よくある抜け | 対策 |
|---|---|---|---|
| 事業者・事業所の基本情報 | 法人名、事業所名、所在地、連絡先、指定番号、管理者 | 旧住所・旧電話番号のまま | 改定日を付けてセット差し替え |
| 提供するサービス | サービス内容、営業日/時間、通常の実施地域、提供方法 | 運営規程と地域が不一致 | 運営規程の該当箇所と突合 |
| 勤務体制(概要) | 担当職員の体制、連絡方法 | 記載が抽象的で説明がぶれる | 連絡先・対応時間を明記 |
| 料金(自己負担・交通費等) | 利用料、加算、交通費、キャンセル等 | 料金表の版が古い | 料金表と同じ改定日で管理 |
| 苦情の受付 | 事業所の窓口、外部窓口(国保連等) | 窓口の記載がない/古い | 連絡先を固定し、更新時に差し替え |
| 事故発生時の対応 | 連絡先、対応手順、賠償 | 事故時の連絡先が空欄 | 記載だけでなく運用も確認 |
| 秘密保持・個人情報 | 使用範囲、同意 | 同意書と内容がズレる | 同意書と同じ文言で統一 |
| 虐待防止の体制 | 委員会/指針/研修/担当者など | 「やっている」が示せない | 研修・周知の証跡を残す |
| 感染症対策・BCP | 体制、指針、研修・訓練 | 重要事項に触れていない | 重要事項は“方針”として載せ、記録とつなぐ |
| ウェブ掲載(掲示) | 掲示・備付・ウェブ掲載の状況 | 公開先が不明/更新漏れ | 公開URL(または公表システム)を台帳化 |
読むだけだと手が止まる場合は、この表をチェック表として印刷し、「抜けている行だけ埋める」やり方が早いです。
記入例やひな形があると、説明内容のぶれも減ります。
重要事項説明書は、改定・変更・人の入れ替わりの影響を受けます。代表的な見直しタイミングは次のとおりです。
忙しい事業所ほど「人員の入退職」だけで差し替えが連鎖します。厚生労働省資料では、運営規程や重要事項説明書に記載する従業者の員数は「○○人以上」と書けること、運営規程の員数等の変更届は年1回で足りることを明確化した、と示されています。更新コストを下げたい場合は、この考え方を取り入れると運用が崩れにくくなります。


電子で渡せるからこそ、次の2点が抜けやすいです。
現場の一コマ:運営指導で重要事項説明書の電子データは見せられたものの、利用者側の承諾記録が見当たらず、結局「紙で交付したのか」「どの版を交付したのか」の確認が長引く場面があります。
重要事項説明書で多い不備は、項目の欠落よりも「整合していない」ことです。
ミス→原因→防ぎ方で一つ挙げると、「従業者数を実数で書き、更新が追いつかない」は起点になりやすいです。
人の入れ替わりが多いほど、修正漏れが発生します。員数の書き方を「○○人以上」に寄せ、更新対象を減らすだけでも、版ズレの確率が下がります。


ここまで読んで「自社の版管理が不安」という場合は、チェック表とひな形を先にそろえ、まず“差し替える順番”だけ決めると進みます。迷いが残るなら、プロケアの専門家が状況整理をお手伝いする形もあります。
管理者が押さえるべきは、内容より「迷子にならない置き方」です。
運用面の土台は、法令遵守の考え方とセットで整えると楽です。
全体像は介護の法令遵守(コンプライアンス)も合わせて確認してください。


重要事項説明書は、改定・変更・人の入れ替わりの影響を受けます。現場で回るのは、
この2つができている形です。
たとえば、教育や周知が必要な項目(感染症、虐待防止、業務継続計画など)は、重要事項説明書に“方針”として載せるだけで終わらせず、職員側の記録(研修・周知の証拠)とつなげておくと説明が通ります。
研修の運用まで含めた整備が必要なら、個別研修計画の立て方(記入例あり)や、事業所内のルールを形にする介護マニュアルの作成方法(ひな形付き)も役立ちます。
まずは、チェック表の行で「空いているところ」だけ埋めてください。次に、重要事項説明書・運営規程・料金表が同じ改定日になっているかを確認すると、手戻りが減ります。
本記事は一般的な情報提供を目的としています。最終的な判断や手続きは、指定権者(自治体)の案内・公式資料をご確認ください。制度改定等により取扱いが変わる場合があります。
「運営指導が怖い…」 「加算を取りたいけど、どうやっていいかわからない…」など
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