【専門家監修】アセスメント作成方法は?書き方は?(介護・障害福祉)運営指導で指摘されない記録の残し方
アセスメントは「利用者の状態を聞き取ったメモ」ではなく、個別計画やケアプランの根拠になる記録です。居宅介護支援では、解決すべき課題の把握(アセスメント)は居宅訪問と面接で行う旨が示されており、運営指導でも“実施した証拠”が出せるかが実務上の分かれ目です(指定権者の手引きは自治体ごとに差があります)。(熊本市「居宅介護支援・介護予防支援事業の手引き」(令和8年4月、2頁))
また、介護保険分野では厚生労働省が「介護保険施設等運営指導マニュアル」やサービス種別ごとの確認項目を公表しており、日々の記録がそのまま指導当日の説明材料になります。(厚生労働省「介護保険施設等運営指導マニュアル」)
この記事でわかること
- アセスメントはどの様式で作ればよいか(23項目は全部必要か)
- 「事実」と「判断」をどう書き分けると、計画につながるか
- 運営指導で見られるポイントと、指摘されやすい不備の直し方
この記事では、専門家(片山海斗)監修のもと、介護保険の全サービスで使える共通の作成方法を軸に、障害福祉サービスにも応用できる形で書き方と運用を示します。居宅介護支援(ケアマネジメント)の23項目は迷いが多いので、厚生労働省「介護保険最新情報 Vol.1179(課題分析標準項目の改正に関するQ&A)」も踏まえます。(介護保険最新情報 Vol.1179)
そもそもアセスメントとは?_介護計画の根拠になる「課題分析」
アセスメント(課題分析)は、利用者の心身の状況・生活環境・本人の意向を集め、支援の優先順位と目標を決めるための作業です。記録としては、あとから第三者が読んでも「なぜこの支援内容になったのか」を説明できる状態が求められます。
介護保険:ケアプランと個別計画をつなぐ起点
介護保険では、居宅介護支援のケアプラン(居宅サービス計画)が上位計画になり、訪問介護計画や通所介護計画などの個別サービス計画が下位に連動します。アセスメントは、この“計画のつながり”の起点です。ケアプラン全体の流れは「ケアプランの作成手順」も参照してください。
障害福祉:個別支援計画・サービス等利用計画の前提
障害福祉サービスでも、個別支援計画(例:就労系、生活介護、グループホーム等)や、相談支援のサービス等利用計画のもとになる状態把握が欠かせません。運営指導は指定権者が基準省令等を踏まえて行うため、提出・保存すべき様式や運用は自治体の資料で必ず確認してください。
まず決めること:誰が、いつ、どの様式で作るか
アセスメントで揉める原因は、書き方よりも「作成責任」と「更新タイミング」が曖昧なことです。運営指導では、個人の力量より“事業所として再現できる運用”になっているかが問われます。
担当者と最終責任者を明確に!
- 居宅介護支援:介護支援専門員(ケアマネジャー)が中心
- サービス事業所:計画担当者(管理者、サービス提供責任者、機能訓練指導員、看護職員等)が中心
- 障害福祉:サービス管理責任者/児童発達支援管理責任者、計画相談支援の相談支援専門員が中心
ただし「誰が書くか」と「誰が確認して決裁するか」は分けた方が安全です。専門職が分担して情報を集めても、最終的に“計画に落とす責任者”を決めておくと、記録の一貫性が出ます。運営支援の現場では「アセスメントは“担当者の作業”に見えても、運営指導対応は“管理者の仕事”」と言われます。
アセスメントの更新頻度は?
最低限、次の場面ではアセスメントの見直し(再評価)が必要です。
- 新規受入れ(初回)
- 認定更新・区分変更(介護保険)
- 入退院・入退所、医療的管理の変更
- 生活環境の変化(独居化、介護者の体調悪化、転居など)
- サービス内容の変更(回数・時間帯・事業所変更など)
「いつ更新したか」が分かるよう、アセスメント票には“今回の実施理由”を残します。居宅介護支援の標準項目でも「今回のアセスメントの理由」を書く前提が示されています(例:初回、更新、サービス変更時など)。(介護保険最新情報 Vol.1178)
様式は自由でも、満たすべき観点がある
居宅介護支援の「課題分析標準項目(23項目)」は、様式そのものを固定する趣旨ではなく、必要な観点をそろえるためのものです。厚生労働省のQ&Aでは、見直しは文言の適正化や例示の充実が中心で「情報収集項目が変わるわけではない」こと、例示の全てを集めることを求めるものではないことが示されています。(介護保険最新情報 Vol.1179)
専門家の声「23項目を“全部埋める”より、本人の意向と課題の筋道が通っているかが重要。空欄があっても、判断の根拠が書けていれば説明は通る」という見立てが多いです。
フェイスシートとアセスメントの違い
- フェイスシート:氏名、住所、緊急連絡先、主治医、保険情報など“基本情報の台帳”
- アセスメント:生活課題や強み、本人の意向、支援の優先順位まで含む“計画の根拠”
運営指導で確認されるのは、台帳の網羅性より「計画に至る根拠が残っているか」です。フェイスシートが整っていても、アセスメントが薄いと計画の説明が崩れます。
アセスメント作成の流れ:サービス提供前から計画化まで
表:アセスメント作成方法の流れ(介護・障害福祉で共通)
表の見方:左から「やること」「記録に残す最小単位」「運営指導で説明しやすい形」の順です。
| 区分 | やること | 記録に残す最小単位 | 説明しやすい形 |
|---|---|---|---|
| 事前 | 既存情報の収集(紹介状、指示書、前事業所情報、認定調査票の概要など) | 情報源/入手日/要点 | 情報源ごとにメモを分ける |
| 面接 | 本人・家族等への面接(必要に応じて関係職種にも確認) | 実施日、場所、同席者、本人の言葉 | 「誰から」「何を」聞いたかが一目で分かる |
| 観察 | 生活場面の観察(動作、住環境、服薬、食事など) | 観察した事実/危険 | 事実と推測を分ける |
| 分析 | 課題の仮説化(なぜ困っているか、背景は何か) | 課題(原因・誘因・強み) | 課題→目標につながる言葉にする |
| 合意 | 本人の意向・優先順位の確認 | 意向/合意事項/合意日 | 目標の“主語”が本人になる |
| 計画 | 個別計画・ケアプランへ反映 | 目標、支援内容、役割分担 | アセスメントの記載箇所を参照できる |
| 共有 | 多職種共有(会議・照会・情報提供) | 共有先/共有内容/日時 | 議事録や連絡票を保存する |
アセスメント → 課題(優先順位) → 目標 → 個別計画(サービス内容) → 実施記録 → モニタリング → 再アセスメント
図の説明:アセスメント作成方法が「計画の根拠」になり、実施記録とモニタリングが次の再アセスメントにつながる関係を示しています。
最低限の項目は10項目だけ!アセスメントの基本項目と注意点
アセスメントが“それっぽく”見えても、運営指導で指摘されやすいのは「事実が薄い」ことです。本人や家族の言葉、観察した事実、他職種の所見といった材料が不足すると、課題の根拠が示せず説明が崩れます。
もう一つは「課題と計画がつながっていない」ことです。アセスメントで導いた課題が個別計画や提供記録に反映されていないと、形式だけ整えた“作っただけ”の記録に見えてしまいます。
厚労省が示す、アセスメントの基本項目23項目
最低限の項目を押さえる前に、厚労省が示している、23項目を押さえましょう。
| No. | 標準項目名 | 何を押さえる(要点) |
|---|---|---|
| 1 | 基本情報(受付、利用者等基本情報) | 受付日時・方法、本人の基本情報、家族等の基本情報、初回かどうか |
| 2 | 生活状況 | 現在の暮らしぶり、生活歴(これまでの生活の経過) |
| 3 | 利用者の被保険者情報 | 介護保険・医療保険、生活保護、手帳の有無など |
| 4 | 現在利用しているサービスの状況 | 介護保険内外を含む利用サービス(医療・障害福祉・地域資源等) |
| 5 | 日常生活自立度(障害) | 「障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)」の状況(認定資料も含む) |
| 6 | 日常生活自立度(認知症) | 「認知症高齢者の日常生活自立度」の状況(認定資料も含む) |
| 7 | 主訴・意向 | 本人の主訴・意向、家族等の主訴・意向(言葉を残す) |
| 8 | 認定情報 | 要介護度、審査会意見、区分支給限度額など |
| 9 | 今回のアセスメントの理由 | 初回/更新/区分変更/退院退所/サービス変更など実施理由 |
| 10 | 健康状態 | 主傷病・症状・痛み・受診・服薬、健康理解の状況 |
| 11 | ADL | 日常生活動作(起居移動、食事、更衣、入浴、排泄など) |
| 12 | IADL | 手段的日常生活動作(調理、掃除、買物、金銭・服薬管理、交通利用など) |
| 13 | 認知機能や判断能力 | 意思決定の状況、認知症の中核症状・BPSDの有無と背景 |
| 14 | コミュニケーションにおける理解と表出の状況 | 理解・表出、視聴覚、意思疎通手段(電話・スマホ等も含む) |
| 15 | 生活リズム | 1日/週の過ごし方、活動量、睡眠(昼夜逆転等) |
| 16 | 排泄の状況 | 排泄方法・失禁・頻度、便秘/下痢、後始末など |
| 17 | 清潔の保持に関する状況 | 入浴・整容、皮膚/爪、衣類・寝具の清潔と交換 |
| 18 | 口腔内の状況 | 歯・義歯、口腔内(乾燥・出血等)、口腔ケアの実施状況 |
| 19 | 食事摂取の状況 | 食形態、摂取量、水分、栄養状態、嚥下、制限の有無 |
| 20 | 社会との関わり | 家族等・地域・仕事との関わり、役割、参加状況 |
| 21 | 家族等の状況 | 本人の生活/意思決定に関わる家族等の状況、負担感、支援参加 |
| 22 | 居住環境 | 生活動線、危険箇所、整理整頓、室温、機器、自宅周辺の利便性 |
| 23 | その他留意すべき事項・状況 | 虐待、経済的困窮、身寄りなし、外国人、医療依存度、看取り等 |
アセスメントシートに入れる最低限の項目(ひな形)
サービス種別で様式が違っても、運営指導で説明が通るアセスメントは、だいたい次の欄がそろっています。
- 基本情報(受付日、担当、連絡先、主治医、介護者等)
- 今回の実施理由(初回/更新/変化対応など)
- 情報源(本人、家族等、医療、関係機関、記録類)
- 本人の意向(短い言葉でよい)
- 生活状況(住環境、家事、金銭、服薬、移動、排泄、食事など必要範囲)
- 健康・安全(疾患、疼痛、転倒の危険、栄養、水分、認知、睡眠など)
- 強み・できていること(維持すべきポイント)
- 課題(優先順位つき)
- 支援の仮説(何をすれば改善・維持できそうか)
- 計画への反映(目標、支援内容、担当、期限)
“書けるところから埋める”運用にするより、最初に「必ず書く欄」を固定した方が、記録の揺れが減ります。
「全部書けていない=基準違反」ではない。ただし理由は必要
厚生労働省のQ&Aでは、標準項目の「主な内容(例)」は解釈の差を減らすための例示であり、全ての情報収集を求めるものではない、とされています。さらに、実地指導で例示が把握されていないこと“だけ”をもって、アセスメントが不適切と判断し基準違反とすることがないよう留意する、と明記されています。(介護保険最新情報 Vol.1179)
ただし、空欄がある場合は「今回は確認できなかった」ではなく、「計画上の判断として不要だった/別資料で把握している/次回確認する」など、説明できる形にしておくと安全です。
主訴・意向は「本人の言葉+背景」をセットで残す
標準項目は「主訴」から「主訴・意向」へ見直され、単なる訴えだけでなく、今後の生活に対する要望や意向を含める趣旨が示されています。(介護保険最新情報 Vol.1179)
記載のコツは、短い“引用”と、解釈(背景・前提)を分けることです。
- 本人の言葉:『夜はトイレが怖い。転びたくない』
- 背景の事実:夜間に廊下が暗い/最近ふらつきが増えた/独居で見守りがない
- 支援上の論点:転倒の危険、夜間排泄の導線、見守り体制、福祉用具や住宅改修の検討
ここが丁寧だと、訪問介護計画や通所介護計画の目標設定が自然になります。訪問介護の運営指導の確認文書でも、計画が「利用者の心身の状況、希望および環境」を踏まえているかが確認項目に挙げられています。(厚生労働省「確認項目及び確認文書(別添1)」)
法令上の位置づけ:居宅訪問と面接が「実施した証拠」になる
居宅介護支援では、アセスメントの実施方法が基準上の論点になりやすい部分です。指定権者の手引き(基準省令・解釈通知を踏まえた説明)では次のように示されています。
利用者の居宅を訪問し、利用者・家族に面接して行わなければならない。
(厚生省令に基づく取扱いとして、熊本市「居宅介護支援・介護予防支援事業の手引き」令和8年(2026年)4月、2頁)(熊本市「居宅介護支援・介護予防支援事業の手引き」(令和8年4月、2頁))
補足:訪問できない事情がある場合の取扱いは、自治体の解釈や運用により確認が必要です。少なくとも「訪問できなかった理由」と「代替手段(電話・オンライン・関係職種照会等)」を記録に残し、次回の訪問予定まで書いておくと説明が通りやすくなります。
運営指導で見られるポイント:アセスメントが弱いと止まる場所
運営指導は、帳票や記録に基づいて確認が進みます。厚生労働省は「介護保険施設等運営指導マニュアル」を公表し、各サービス種別ごとの「確認項目及び確認文書」を示しています。(厚生労働省「介護保険施設等運営指導マニュアル」)
運営指導の全体像や準備は「運営指導の概要と対策」「運営指導の流れと事前準備」も併せて確認してください。


現場の一コマ:アセスメント票はあるのに「根拠」が出ない
運営指導の当日、アセスメント票はファイルに綴られているのに、実施日・実施者・同席者の記載がなく、計画がいつの状態を前提に作られたのか説明できずに手が止まる。個別計画の同意日もバラバラで、計画の版が複数混在していた――この形は、想像以上に起きます。
指摘されやすい不備(ミス→原因→防ぎ方)
ミス:アセスメントの記録が残っていない(または不十分)
原因:ヒアリングはしているが、面接メモが個人の手帳や口頭連携で終わり、事業所として保管できていない。
防ぎ方:アセスメント票に「実施日・実施者・場所・同席者・情報源」を固定で入れる。面接メモを“清書して保管する場所”を決め、個別計画の根拠として参照できるようにする。
ミス:個別計画と上位計画(ケアプラン等)の整合が取れていない
原因:アセスメントは更新したが、個別計画の目標・サービス内容が旧版のまま残る。
防ぎ方:アセスメント更新のたびに「計画の見直し対象(どの計画が影響を受けるか)」をチェックし、変更履歴を残す。運営指導前は、計画の版が混在していないか(最新のアセスメントに合わせて更新できているか)を先に確認してください。
運営指導で説明しやすいアセスメントチェック表
表:運営指導で見られやすい「アセスメント周辺」の確認点
表の見方:左から「見られる点」「不足しやすい部分」「用意しておく証拠」です。
| 見られる点 | 不足しやすい部分 | 用意しておく証拠 |
|---|---|---|
| 実施の事実 | 実施日・実施者がない/面接の相手が不明 | 面接記録、訪問記録 |
| 本人の意向 | 主訴だけで、生活の希望が書けていない | 本人の言葉、優先順位、合意日 |
| 課題→計画 | 課題は書いたが、計画に反映されていない | 計画書の該当箇所に「根拠:アセスメント○/○」を入れる |
| 変化への対応 | 退院後などの変化が計画に反映されない | 再アセスメント記録、計画変更の理由、会議記録 |
| 多職種連携 | 会議はしたが記録がない | サービス担当者会議の記録、照会結果、情報提供書 |
| 同意・交付 | 説明日・同意日が不明/署名が欠ける | 同意書、交付記録、説明記録 |
| ファイル管理 | 版が混在、見つからない | 月別・利用者別の保管ルール、電子フォルダの命名規則 |
運営指導で返還や減算につながりやすい論点は、別記事「運営指導のポイントと監査との違い」でも扱っています。


記録の残し方:紙でも電子でも「説明できるセット」にする
アセスメントは単体の書類ではなく、次の“セット”で説明できると強いです。
- アセスメント票(情報源・事実・課題・意向)
- 個別計画/ケアプラン(目標と支援内容)
- 実施記録(何をしたか、反応はどうだったか)
- 変更・見直し記録(なぜ変えたか)
最低限の固定項目(まずここから)
事業所内で様式が複数あっても、必須項目は固定にします。
- 実施日(初回/定期/変化対応などの理由も)
- 実施者(職種)と確認者
- 実施場所(居宅、事業所、オンライン等)
- 同席者(家族等、関係者)
- 情報源(本人、家族等、医療、前事業所など)
- 参照した資料(指示書、退院時サマリー、認定情報など)
厚生労働省のQ&Aで「家族等」は、親族だけでなく意思決定や支援に関わる人も含める趣旨が示されています。記録でも、誰が“支援に関わる人”なのかを明確にしておくと、同意・連絡の場面で迷いません。(介護保険最新情報 Vol.1179)
保存と検索性は「運営指導当日に出せるか」で決める
保存期間や保存対象はサービス種別・自治体の運用で差があります。運営指導の資料は、指定権者が示す自己点検票や確認文書に合わせて整えるのが近道です。介護保険では、厚生労働省が確認文書の考え方を示しています。(厚生労働省「介護保険施設等運営指導マニュアル」)



「電子化していても“探せない”と意味がない。利用者ごとに『アセスメント→計画→同意→実施→見直し』の一連が1分で出せるフォルダ設計が現実的」という助言がよく出ます。アセスメントを含む書類運用を職員全体で揃えるには、日々のルールをマニュアルに落とすのが早道です(「介護マニュアルの作成方法」も参考になります)。
立て直し:アセスメントが弱いときの戻し方(やり直し順)
すでに記録が薄い場合、焦って“きれいな文章”にするより、説明に必要な証拠から埋めた方が安全です。
- 実施の事実を確定:いつ、誰が、どこで、誰に面接したか。足りなければ再面接を行い、実施日を明記して追記する。
- 意向と課題を再確認:本人の希望が変わっていないか、優先順位を取り直す。
- 計画を更新:アセスメントの更新日に合わせて、個別計画の版を統一する。
- 共有の記録を残す:多職種の照会・会議が必要なら、議事録か照会結果を保存する。
- 実施記録に反映:計画変更後の提供記録が、目標に沿った内容になっているか確認する。
運営指導が近い場合は、優先順位を先に決めると進めやすくなります。個別の状況に応じた確認ポイントは、プロケアの専門家にご相談ください。
なお、管理者・経営者の判断としては、アセスメントの品質を“個人のスキル”に寄せすぎると、退職や異動で崩れます。定型化と確認体制を用意し、必要なら記録の作成・保管まで含めて仕組みに投資した方が、中長期では返還につながる危険と残業コストを同時に下げられます。法令遵守の体制づくりは、別記事「介護事業所の法令遵守の考え方」も参照してください。
たとえばプロケアDXは、運営指導対策から研修・教育、加算取得までを一つの窓口で支援し、必要書類の管理や「いつ何をやるか」を見える形で整える経営支援サービスです。忙しくて運用が続かない場合は、外部の仕組みを使う選択肢も現実的です。
介護・障害福祉で迷いやすい線引き
アセスメントと経過確認(モニタリング)の違い
- アセスメント:現状把握と課題の特定(計画作成の根拠)
- 経過確認(モニタリング):計画どおり進んでいるか、変化があるかの継続確認(必要なら再アセスメントへ)
居宅介護支援の手引きでも、モニタリングは継続的な連絡を前提に「少なくとも1月に1回は結果を記録する」運用が示されています(自治体により表現は異なります)。(熊本市「居宅介護支援・介護予防支援事業の手引き」(令和8年4月、2頁))
障害福祉の個別支援計画で押さえる要素
障害福祉の個別支援計画は、サービス提供の“設計図”です。アセスメントでは少なくとも、本人の意向、生活課題、環境、危険、家族等の支援体制を押さえ、計画側で「目標」「支援内容」「担当」「評価の時期」が説明できる状態にします。
特に、就労系・生活介護・共同生活援助などサービス特性が違う事業所では、様式を統一しすぎると現場に合わなくなります。「共通欄(実施日・情報源・意向・課題)」だけ固定し、サービス別の欄は柔軟にした方が、運用が続きます。
介護と障害福祉の「確認資料」の考え方
障害福祉分野でも、運営指導・監査の標準化に向けた動きが示されており、基準省令をもとにサービス種別ごとの確認項目・確認文書を作成する方針が示されています。(厚生労働省「障害福祉分野における運営指導・監査の強化について」)
つまり、介護保険と同様に「何をどう確認するか」が明文化される方向にあります。指定権者が公表する事前調書や点検票に、自事業所の様式を合わせていくのが安全です。
医療系(訪問看護など)は「記載要領」が別にある
訪問看護の計画書・報告書・記録書は、標準様式や記載要領が通知で示されています。介護保険・医療保険をまたぐ事業所では、アセスメントの考え方は共通でも、様式の根拠が違う点に注意が必要です。(厚生労働省「訪問看護計画書等の記載要領等について」(令和2年3月27日))
まとめ
- アセスメントは「計画の根拠」。事実(材料)と判断(課題)を分け、目標・支援内容まで一本の筋でつなぐ
- 23項目は“様式固定”ではなく“観点の提示”。全部を埋めるより、意向と課題の説明が通る形を優先する
- 運営指導では、実施した証拠(実施日・実施者・面接の相手・情報源)と、計画への反映、版の統一が止まりやすい
- 記録は単体ではなく「アセスメント→計画→同意→実施→見直し」のセットで出せるように保管する
- 立て直しは“証拠→意向→計画→共有→実施”の順。書き直す前に、説明に必要な材料を揃える






