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介護事業所を運営するうえで、介護保険請求(レセプト請求)は事業の収益を左右する重要な業務です。
しかし、制度は複雑で、請求ルールを正しく理解していないことで返戻や過誤、不正請求と判断されるリスクも少なくありません。
本記事では、介護保険請求の仕組み・請求の流れ・注意点を整理し、不正・過誤請求が起きた場合の対処法や、未然に防ぐための実務ポイントまでを、経営初心者の方にもわかるように解説します。
この記事でわかること

介護保険請求とは、介護事業所が提供した介護サービスに対する報酬を、介護保険制度を通じて請求する仕組みです。
利用者が支払う自己負担分(1割〜3割)を除いた残りを、事業所は国民健康保険団体連合会(以下、国保連)に請求します。
ここで重要なのは、介護保険請求は「実費請求」ではなく、介護報酬単位に基づいた公的請求であるという点です。
そのため、ルールに沿わない請求はすべて「誤り」として扱われます。
専門家の声私が現場で多く見てきたのは、「悪気はないけれど、制度を正しく理解していなかったために過誤請求になってしまった」というケースです。
介護保険請求は、知っているか知らないかで結果が大きく変わります。




介護保険請求は、単に「実績を入力して送信する作業」ではありません。
サービス提供・記録・算定・請求・審査・支払いまでが一連の流れとしてつながっており、どこか一つでも欠けると返戻や過誤につながります。
全体像を理解するために、まずは請求業務を「5つステップ」に分けて考えることが重要です。
最初のステップは、利用者へのサービス提供と、その内容を正確に記録する段階です。
これらはすべて、後の請求の根拠となります。記録が存在しないサービスは、原則として請求できません。
次に行うのが、ケアマネージャーが作成するサービス提供票と、事業所側の実績との突合です。
この確認を怠ると、計画外サービスによる返戻や、算定不可となるリスクが高まります。
実績が確定したら、介護報酬の算定を行います。ここでは、以下を総合的に判断します。
加算は「条件を一部満たしていれば算定できる」ものではなく、算定要件をすべて満たして初めて請求可能です。
算定した内容をもとに、レセプトを作成し、国保連へ請求します。
多くの事業所では請求ソフトを使用していますが、ソフトが自動計算した内容が必ずしも正しいとは限りません。
といった点は、提出前に必ず目視確認する必要があります。
提出されたレセプトは、国保連で審査されます。審査では、以下のような点がチェックされます。
問題がなければ、原則として翌月に介護報酬が支払われます。一方、不備がある場合は返戻となり、支払いが保留されます。
参照:介護給付費請求の手引き(国民健康保険中央会)



介護保険請求は、レセプト作成だけを切り取って考えると、必ずどこかで無理が生じます。
実際の現場では、サービス提供・記録・算定・請求・国保連審査までが一本の線でつながっており、どのステップのズレも返戻や過誤請求につながることを、数多く見てきました。
特に運営指導では、「なぜこの請求になったのか」を全体の流れで説明できるかが問われます。
請求業務を点ではなく、経営管理のプロセスとして理解・運用することが、不正請求を防ぎ、安定した介護事業経営につながる最も確実な方法だと感じています。


介護保険請求は、単なる事務作業ではなく、介護報酬を正しく・安定的に得るための経営上の重要業務です。
特に、サービス提供から記録、算定、国保連請求、返戻・査定対応までの各工程でミスが生じると、過誤請求や返戻につながり、資金繰りや運営指導リスクを高める要因となります。
ここでは、介護事業所の経営者・管理者が最低限おさえておきたい、介護保険請求における実務上の重要ポイントを工程ごとに整理します。
介護保険請求の起点は、利用者への適切なサービス提供と、それを正確に反映した介護記録の作成です。
サービス提供内容・実施日時・提供時間などが記録と一致していなければ、算定根拠が成り立ちません。
請求業務は請求月だけの作業ではなく、日々の記録の積み重ねがすでに請求業務の一部であることを意識する必要があります。
作成された記録は、請求前に必ず内容確認を行います。
計画書との不整合、算定要件を満たさない記載、提供実績とのズレがあると、返戻・査定の原因になります。
特に加算算定に関わる記録は、要件を満たしているか・根拠が明確かを重点的に確認することが重要です。
次に行うのが、介護報酬算定ルールに基づいた単位数の算出です。
介護保険制度では、サービス種別や利用者の状態、体制要件などにより算定方法が細かく定められています。
最新の算定基準や通知を踏まえ、「算定できる」「算定できない」の判断を正確に行うことが、安定した請求業務につながります。
算定内容が確定したら、介護請求ソフト等を使用して国保連への請求データを作成・提出します。
提出期限を過ぎると請求自体ができなくなるため、スケジュール管理も重要な実務ポイントです。
提出前には、金額・単位数・利用者情報などを最終確認し、入力ミスを未然に防ぐ体制を整えておきましょう。
請求後、内容に不備がある場合は返戻や査定が発生します。
返戻理由を正確に把握し、記録や算定内容を見直したうえで、速やかに再請求を行うことが求められます。
返戻・査定は「ミス」ではなく、業務改善のヒントとして捉えることが重要です。
介護保険請求を安定させるには、特定の職員に依存しない体制づくりが欠かせません。
記録ルールの統一、チェック体制の構築、算定知識の共有などを行うことで、請求業務の属人化を防げます。
結果として、返戻・査定の減少だけでなく、事業所全体の業務品質向上にもつながります。



介護保険請求に関するトラブルの多くは、制度を知らなかったことよりも、日々の実務の積み重ねが整理されていないことに起因します。
実際の現場では、記録の書き方や算定ルールの理解が曖昧なまま請求を続けてしまい、返戻や過誤請求を繰り返した結果、運営指導で指摘を受けるケースを数多く見てきました。
介護保険請求は「請求できているか」ではなく、「根拠を持って説明できるか」が問われる業務です。各実務ポイントを標準化し、第三者の視点で定期的にチェックすることが、安定経営と運営指導対策の両立につながります。




介護保険請求において避けて通れないのが、「返戻」や「過誤請求」です。
これらは不正を意図していなくても、日常業務の中で誰でも起こり得るものであり、内容を正しく理解していないと、資金繰りの悪化や運営指導リスクにつながります。
ここでは、返戻と過誤請求の違い、それぞれが発生する原因について、経営者・管理者向けにわかりやすく整理します。
返戻とは、国保連合会(国保連)に提出した介護保険請求が、審査段階で差し戻されることを指します。
この場合、請求自体が成立していないため、介護報酬は一切支払われません。
主な返戻の原因
返戻は「書類・データ上の不整合」が原因となることが多く、実務上のチェック体制が弱い事業所ほど発生しやすい傾向があります。
過誤請求とは、一度は介護報酬が支払われたものの、後から請求内容に誤りがあると判明した状態を指します。
返戻とは異なり、すでに入金された報酬を修正・返還する必要がある点が大きな特徴です。
主な過誤請求の原因
過誤請求は、帳票上は問題なく見えても、実地確認で発覚するケースが多く、運営指導や監査で指摘されやすいポイントでもあります。
返戻と過誤請求の違いを整理
| 項目 | 返戻 | 過誤請求 |
|---|---|---|
| 発生タイミング | 請求審査時 | 支払後 |
| 報酬の支払い | 支払われない | 一度支払われる |
| 主な原因 | 書類・データ不備 | 算定・実績の誤り |
| 経営への影響 | 入金遅延 | 返還・修正対応 |



返戻や過誤請求は、特別なミスをした事業所だけに起こるものではありません。
実際には、忙しい現場の中で確認が後回しになり、「気づかないまま請求を続けていた」ことが原因で発覚するケースがほとんどです。
重要なのは、問題が起きた後の対応ではなく、起きない仕組みをどう作るかです。請求業務を属人化させず、運営指導を見据えた体制づくりが、結果として経営の安定につながります。
返戻や過誤請求と並んで、介護事業所が最も不安を感じやすいのが「不正請求」です。
不正請求と聞くと、「悪意をもって行うもの」というイメージを持たれがちですが、実務上は判断が難しいケースも少なくありません。
ここでは、返戻・過誤請求と不正請求の違いを整理し、経営者・管理者が押さえておくべき判断基準を解説します。
不正請求とは、算定要件を満たしていないことを認識したうえで、介護報酬を請求する行為を指します。
厚生労働省の通知や運営指導の実務においても、「故意性」「継続性」「組織的関与」が判断の重要な要素とされています。
不正請求と判断されやすい例
不正請求は、返還だけでなく、指定取消や加算金の対象となる可能性があります。
返戻や過誤請求は、請求内容に誤りはあるものの、故意がないことが前提です。
一方、不正請求は「知らなかった」では済まされず、事業所としての管理体制や認識が厳しく問われます。
| 項目 | 返戻・過誤請求 | 不正請求 |
|---|---|---|
| 故意性 | なし | あり |
| 主な原因 | 確認不足・理解不足 | 認識したうえでの請求 |
| 対応 | 修正・過誤調整 | 返還・行政処分 |
| 経営への影響 | 一時的 | 長期・致命的 |
実務上、不正請求と判断されるかどうかは、請求内容そのものよりも、その後の対応が影響することがあります。
特に注意すべきなのは、以下のようなケースです。
これらは、故意性を推認されやすい状況といえます。
不正請求を防ぐために、経営者・管理者が持つべき基準はシンプルです。
この基準に少しでも不安がある場合、「問題が起きてから考える」のではなく、事前に立ち止まる判断が重要です。



不正請求と判断されるかどうかは、「悪意があったか」だけで決まるものではありません。
現場でよく見るのは、「分かっていなかった」「確認していなかった」状態が続き、結果として不正と評価されてしまうケースです。
経営者・管理者が請求内容を把握し、是正の記録を残しているかどうかが、運営指導や監査では大きな分かれ目になります。


不正請求や過誤請求は、「起こさないこと」が最も重要ですが、万が一発覚した場合には その後の対応次第で、行政からの評価や事業継続への影響が大きく変わります。
ここでは、発覚後に取るべき正しい対応を、段階ごとに解説します。
不正・過誤請求に気づいた場合、最も重要なのは 事実関係を正確に把握すること です。
などを整理し、「不正なのか」「過誤なのか」「どの程度の範囲なのか」 を冷静に確認します。
この段階で慌てて請求を取り下げたり、自己判断で処理を進めてしまうと、かえって問題が大きくなることもあるため注意が必要です。
過誤請求であることが明らかな場合は、返戻・過誤調整の手続きを速やかに行うことが基本です。
また、不正請求の可能性がある、あるいは判断に迷う場合には、保険者(市町村)や都道府県への相談・報告を行うことが望ましい対応とされています。
自主的に申し出た場合、
など、結果的に事業所を守ることにつながるケースも少なくありません。
「指摘される前に、正直に対応する」これは運営指導の現場でも、重視されるポイントです。
返戻・調整を行って終わり、では不十分です。同じミスを繰り返さないために、原因の洗い出しが不可欠です。
例えば、
など、背景には必ず理由があります。
原因を明確にしたうえで、
といった 具体的な再発防止策 を講じることが重要です。
不正・過誤請求は、管理者や請求担当者だけの問題ではありません。
事業所全体で共有し、再発防止に取り組む姿勢 が求められます。
こうした取り組みは、行政からの信頼回復だけでなく、事業所の内部統制強化にもつながります。
「ミスを隠す」のではなく、「ミスから学び、改善する組織であること」これが長く安定した事業運営に欠かせない視点です。
原則として、誤りがあった期間すべてが修正対象となります。1か月だけのミスに見えても、算定ルールの理解不足が原因の場合、他の月にも同様の誤りが存在する可能性があるため、一定期間を遡って点検することが重要です。運営指導では、「どこまで確認し、どう是正したか」という 対応姿勢 も重視されます。
明確な過誤請求であれば、自主的に相談・報告することが望ましい対応です。特に判断に迷うケースでは、自己判断で処理せず、保険者や都道府県に事前相談することで、後々のトラブルを防ぐことができます。「隠していた」と受け取られるリスクを避ける意味でも、早めの相談は有効です。
不正請求は、算定要件を満たしていないと認識しながら請求していた場合 や、虚偽の記録・改ざん など、故意性が認められるケースを指します。一方、算定ルールの誤解や事務的ミスによるものは、原則として過誤請求として扱われます。「知らなかった」では済まされないケースもあるため、日頃から制度理解と記録の整合性を保つことが重要です。
運営指導で過誤請求が判明した場合、多くは 返還・是正指導 が行われ、再発防止策の提出を求められます。その際、
といった点が総合的に確認されます。日頃の体制づくりが、そのまま評価につながる場面です。
介護保険請求において、返戻や過誤請求は どの事業所にも起こり得るリスク です。重要なのは、「起こさないこと」だけでなく、
万が一発覚した場合に、どう向き合い、どう改善するか です。
こうした積み重ねが、運営指導や監査への備えとなり、安定した事業運営を支えます。請求業務を「事務作業」として終わらせず、経営とコンプライアンスを守る重要な業務として捉えることが、これからの介護事業には欠かせません。
「運営指導が怖い…」 「加算を取りたいけど、どうやっていいかわからない…」など
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