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介護施設経営において「稼働率の低迷」に悩んでおられる経営者・管理者の方は多いのではないでしょうか?
稼働率は、安定経営を行う上での最重要指数の1つであり、収益に直結するものです。
稼働率が低下している原因は事業所によってさまざまです。
今回は、よく陥る「稼働率低迷の原因」と「具体的対策」についてお伝え致します。
チェックリストもございますので、介護施設の稼働率を向上させたい経営者の方は最後までご覧下さい。

上記データは、施設別の利用者床数を表したものです。ここ、数年で軒並み施設数(利用者床数)が増えてることがわかります。
特に、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅など、民間企業が参入しているものに関しては、急速に伸びていることがお分かりいただけると思います。
利用者にとって選択肢が多くなったことで、今まで数百人待ちなどと言われていた特別養護老人ホームでも、かなり待機者が減ってきているのが現状です。
これからの介護施設経営は、「利用者に選ばれる施設づくり」が求められます。
そしてそれは、稼働率にも大きく影響してきます。

稼働率の計算方法について確認しておきます。稼働率は、実利用者数÷定員数で計算します。
ある施設の定員数は100名で、利用者数が98名であれば、稼働率は98%です。
※日次単位の場合
上記は日次での計算でしたが、実際の介護施設のほとんどは月単位で稼働率を管理されています。
先ほどの例を月次で再計算すると以下のようになります。
エクセルなどで、毎日入力できるデータ表作成し、日々管理・共有できる状態にしておく方がよでしょう。
介護施設の運営において、「稼働率を上げること」は売上や経営の安定に直結する重要なテーマです。一方で、単純に稼働率だけを追い求めると、現場の負担増加やサービス品質の低下といったリスクも伴います。
そのため、「介護施設の稼働率を上げるにはどうすればよいか」を考える際には、メリットだけでなくデメリットも正しく理解した上で、バランスの取れた運営判断が求められます。
ここでは、事業者目線で見た稼働率向上のメリット・デメリットを整理します。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 売上・利益の安定化につながる 固定費を効率よく回収できる 職員配置の最適化が図れる 地域での信頼・評価が高まる 空床リスクの軽減につながる | 職員の業務負担が増加する サービスの質が低下するリスクがある 利用者受け入れのミスマッチが起きやすい 緊急対応やクレーム増加の可能性 |
介護施設において稼働率の向上は、まず何よりも経営の安定化に直結する要素です。特に人件費や家賃といった固定費の割合が高い介護事業では、空床が増えるほど利益を圧迫します。稼働率を高めることで、同じコストの中でも収益性を大きく改善することが可能になります。
また、利用者数が安定することで、職員配置やシフトの最適化がしやすくなる点も大きなメリットです。稼働率が低い状態では、日によって利用者数にばらつきが出やすく、人員配置が非効率になりがちですが、一定の稼働が維持できれば運営の見通しが立てやすくなります。
さらに、稼働率が高い施設は「人気がある」「信頼されている」という印象を持たれやすく、ケアマネジャーや地域からの紹介数増加にもつながります。結果として、営業活動に依存しすぎない安定した集客基盤を築くことができます。
加えて、空床が少ない状態を維持することで、急な退去や入院が発生した場合でも、早期に次の利用者を受け入れやすくなり、機会損失の防止にもつながります。
一方で、稼働率の向上には注意すべき側面もあります。最も大きな課題は、現場職員の負担増加です。利用者数が増えることで、介助量や記録業務、送迎対応などが増え、職員一人あたりの業務量が過多になりやすくなります。その結果、離職リスクの上昇や職場環境の悪化につながる可能性があります。
また、稼働率を優先するあまり、受け入れ基準が曖昧になると、利用者の状態やニーズと施設のサービス内容が合わない「ミスマッチ」が起こるリスクもあります。これは、トラブルやクレームの増加、結果的な早期退所につながり、かえって稼働率の低下を招く要因にもなります。
さらに、利用者数が増えすぎることで、職員一人ひとりが利用者に関わる時間が減少し、サービスの質が低下する懸念もあります。特にデイサービスやショートステイでは、個別ケアの質が満足度に直結するため、稼働率とサービス品質のバランス管理が重要です。
このように、「稼働率を上げること」自体が目的になってしまうと、現場の疲弊やサービス低下を招く恐れがあります。あくまで適正な稼働率を維持しながら、収益と品質の両立を図る視点が求められます。
そのため、「介護施設の稼働率を上げるには、単純に利用者数を増やすのではなく、受け入れ体制や職員配置、サービス品質を踏まえた戦略的な運営が重要」といえるでしょう。
介護施設の収益を最大化していくためには、以下の2つを達成していく必要があります。
「利用者単価」×「稼働率」が、収益となります。それぞれの数値が高いほど、収益は大きくなります。
利用者単価の向上についても簡単に触れておきます。
利用者単価向上における3つの取り組みをご紹介致します。
上記3つは、特別な取り組みではありませんが、介護施設において、意外とできていないことが多いです。
これを機会に、一度、自事業所の確認もしてみて下さい。
介護施設において、利用者が適切な介護度になっていないという状況がよくあります。
区分変更などの業務を行うケアマネジャーは、現場との兼務をされてことが多く、多忙を極めている方が多いです。そのため、利用者の状態の変化(重度化など)に気づいていても、区分変更などを動きを取れていない状況がよくあります。まずは、施設全体で業務時間を確保する必要があります。
また、介護度の管理をケアマネジャーだけに任せきりになるのではなく、多職種で連携し複数の目でチェックしていくことが大切です。
職員の介護負担を考えると、やはり介護度に応じた報酬を受け取るべきです。
加算の取得も、単価向上の大きな手段です。
加算に関しては、自分たちの事業所では、どのような加算が、どのような条件で取得できるのか、ここをしっかりと理解しておく必要があります。
加算取得にあたっては、現場の負担が増えるものも多いです。現場としっかり相談し、増加する業務負担とも比較しながら、加算算定を進めていく必要があります。
なお、当社では加算取得と取得後の運用のご支援もしておりますので、ぜひ一度お気軽にご相談ください。加算取得後の現場負担を軽減する各種施策をご提案・ご支援させていただきます。
家賃や食事代など、実費負担となる部分に関しても適正な設定にする必要があります。
地価や物価の高騰など、社会情勢などを鑑みて、値上げをすることも必要です。しかし、実行するにあたっては、行政申請の必要性の確認や、利用者(家族)への説明・同意が必要になります。
また、頻繁に変更することは、信頼の低下に繋がりますので、熟考し、しっかりとした根拠を示した上で行う必要があります。
「稼働率の向上」は、「空室を削減すること」という考え方が重要です。
介護施設においては、稼働率が100%を越えることは基本的にはありません。つまり、最大数が決まっているということです。
そのため、いかにして「空室を削減するか」という視点でさまざまな対策を検討する必要があります。

空室には、2つの種類があります。「退居時の空室」と「入院時の空室」です。
「退居時の空室」とは、利用者が退居されてから、次の利用者が入居されるまでの空室期間です。
この期間の短縮には、相談員の調整能力が大きく影響します。
退居を見越して、次の調整への準備をいかにしておくかで空室期間にかなり差がでます。
「入院時の空室」とは、利用者が医療機関に入院となった場合に発生する空室期間です。
病院の治療を早めることはできませんが、施設側として、調整レベルで入院期間を短縮することは意外とできます。そのためには、いかに病院の退院調整看護師やMSW(相談員)と連携を密にできるかが重要です。
この二つの空室を理解し、稼働率向上に向けた原因と対策を考えいきます。

空室率は毎日確認できているでしょうか?
稼働表等をエクセルで作成している介護施設も多いと思いますが、当社では上図のように「ひと目で空室率だけでなく利用者推移等が分かる自動レポート」を作成し、お客様の事業をサポートしております。
毎日このレポートを確認することで、事業所の現状を瞬時に把握することができ、起こりうるリスクへの対策を打つことができます。転ばぬ先の杖になりうるツールです。
本レポートのサンプルは、以下に必要事項をご入力いただいた方限定で無料配布しております。到着したメールにあるURLからレポートをご確認ください。
ショートステイ(短期入所生活介護)の現場では、「稼働率100%超え」という数値が話題になることがあります。一般的な入所施設では100%が上限と考えられますが、ショートステイでは仕組み上、100%を超えるケースが珍しくありません。
これは不正や異常な運営ではなく、ショートステイ特有の「回転型サービス」という性質によるものです。ここでは、その具体的な理由を解説します。
ショートステイの最大の特徴は、特養や老健のような「入所型」ではなく、一定期間のみ利用する短期滞在型サービスである点です。
そのため、1つのベッドに対して複数の利用者が入れ替わる「回転」が発生します。例えば、午前中に退所した利用者のベッドを、その日の午後に別の利用者が使用することも可能です。
このような運用により、1日あたりの延べ利用人数が定員を超えるケースが発生し、結果として稼働率が100%を超えることになります。
ショートステイでは、1泊2日や数日単位の利用が多く、利用期間が短いことが特徴です。
そのため、例えば同じベッドでも
といったように、同一期間内で複数の利用者を受け入れることが可能になります。
この積み重ねにより、月単位・日単位の延べ利用数が増え、稼働率が100%を超える構造になります。
ショートステイは、在宅介護を支える役割として
などのニーズに対応する必要があります。
そのため、多くの施設ではキャンセル待ちや緊急受け入れの体制を整えており、空床が出た際に即座に次の利用者を受け入れる運用が行われています。
実際に現場では、空床をできる限り減らすために回転率を高める運営が求められており、「ショートステイは稼働率100%以上が当たり前」という考え方も見られます。
ショートステイにおける稼働率100%超えは、単なる数字の高さではなく、ベッドをどれだけ効率的に活用できているかを示す指標でもあります。
特に以下のような施設では、稼働率が高くなりやすい傾向があります。
このように、稼働率100%超えは「需要の高さ」と「運営力の高さ」の両方を反映しているともいえます。
一方で、回転率を上げすぎる運営には注意が必要です。
利用者の入れ替わりが多くなることで、
などの業務が増加し、現場負担が大きくなります。
また、受け入れを優先するあまり、利用者の状態や施設の対応力とのミスマッチが起きると、事故やトラブルのリスクも高まります。
そのため、ショートステイでは「回転率(稼働率)」と「サービス品質」のバランス管理が極めて重要になります。
稼働率低下の原因は、内的要因と外的要因の2種類に分けられます。それぞれ、別々のアプローチが必要です。

このチェックリストは、私の相談員時代の経験から作成したものです。
チェックリストは、「現場向け」と「相談員向け」の2つに分かれています。
どの種類の介護施設にも概ね当てはまるものになっていますので、ぜひ自事業所の状況を確認してみてください。
介護現場では、しばしば、経営層(管理側)と現場との間に
大きな溝があることがります。
そのような場合は、目標の共有ができてない、もしくは、ずれていることがほとんどです。
まずは、目標や目標数値の理由や意図も含めて、しっかり現場へ理解を求め、
受け入れができる体制づくりも含めて、現場リーダーや相談員を巻き込み、
取り組んでいくことが大切です。
入院原因の分析と入院予防のアクションが取れているか?
入院者を出すことは、稼働率を下げる大きな要因の1つです。
しかし、入院理由の「分析」や「対策」がしっかりできている施設は多くありません。
入院には、「予防できる可能性があるもの」と「予防が難しいもの」があります。
入院は、利用者のADLを大きく下げることにも繋がります。
「予防ができる可能性があるもの」に関しては、しっかり分析・対策し、入院者を1件でも減らせるようにアプローチする必要があります。
稼働率のカギを握るのは、何と言っても相談員です。相談員が全てのパイプ役となり、施設が円滑に回るように調整していく必要があります。
空室が発生した際に、相談員が早急に調整業務に入れているか?
相談員の主要業務は、利用者の入退居調整です。受診の付き添い、送迎、苦情対応、ボランティアさんの受け入れ、人手が足りなければ、現場の食事介助や入浴介助をお願いされることもあるでしょう。
当然、これが悪いわけではありません。しかし、肝心な時に別の業務に入っていて、調整が後回しになってしまっていることがよくあります。
稼働率を向上させたいと考えいるのであれば、この状態は望ましくありません。必要な時には、調整業務を優先できる環境を施設全体で作ることが大切です。
また、相談員以外の方が対応できるようにしておくことも1つの方法です。
待機者がいると思っていたら、実際に声をかけると皆に断られ、実質的な待機者はいなかったということがよくあります。
そこから急いで次の方を探し出す…これでは”準備不足”です。
そのような状態を防ぐためにも、「待機者」と「即時入居待機者」に分類し、管理することをおススメします
「待機者」=申込を受理している方
「即時入居待機者」=申込を受理し、声を掛けたらすぐに入居希望がある方
この分類をしておくことで、実際空いた時の調整がスムーズになります。また、ご本人、ご家族としても、「次は自分たちの番だ」と、前もって心の準備をしておくことができるのも大きなメリットです。
問い合わせ~契約までの流れを計画的に取り組めているか?
入居までの流れは、計画性がとても大切です。
入居日をある程度設定し、逆算して日程調整をしていくことがポイントです。
本人面接、判定会議、ご契約、施設の受け入れ体制やご家族の都合など、さまざまな部分に配慮しながらの調整が必要となります。
入居日をある程度決めておくことで、選択肢が減り、調整しやくなることが多いです。
現場のリーダーとしっかりコミュニケーションが取れているか?
現場リーダーとのコミュニケーションは、入居調整で最も重要です。
現場の状況を最も理解してる、現場リーダーからスタッフへ情報を共有してもらうことで、スムーズな調整が図れます。
目標を経営層と現場でしっかり共有できているか?
管理側としては、常に目標を現場に伝えていくことが求められます。共有意識を持つことができれば、チームはより強いものになります。
稼働率の管理や入居までのオペレーションが相談員だけに任せきりになっていないか?
経営者や管理者の方で、稼働率の管理は相談員に任せていると言われる方がいます。任せることは大切ですが、放置にならないよう、定期的に進捗確認をし、課題を共有することが大切です。これにより従業員満足度も向上します。
また、相談員が休みや不在の時に、全く話が進まない状態に陥る事業所も多いです。入居までのオペレーションは複数名が対応できるようにしておくとよいでしょう。

サービスのニーズがあるか?どのようなニーズがあるのか?
地域やサービスエリアの市場調査・競合分析を行い、利用者ニーズに合わせたサービス提供を行っていく必要があります。
これを実行する最終的な目標は「利用者満足度の向上」です。
サービスを認知してもらえているか?
利用者や家族、関係機関(居宅ケアマネジャーや病院のMSWなど)などに、訪問、チラシ、HP、SNSなどを活用した営業活動や情報発信はできているか?
相談をもらえるような信頼関係の構築ができているか?
信頼がなければ、相談をしてもらうことはできません。信頼関係は日々の積み重ねです。相談時の電話対応であったり、挨拶や声のかけ方でも大きく印象が変わってきます。
特に相談員は施設の顔と言われていますので、より意識する必要があるでしょう。
また、相談内容についても、緊急の対応など、相手が困っている時にしっかり対応してあげることで、
別の紹介や、リピートにも繋がります。
同業他社にない強味はあるか?
他にはない強みを理解する必要があります。
「どこが強みがわからない」と言われる事業所も多いですが、それは、他社を知らない場合が多いです。
その事業所では当たり前にやっていることが、実は「売り」になることもたくさんあります。「他社を知ること」と「自分たちの魅力を考えること、作り出すこと」にぜひトライしてみて下さい。

稼働率向上のカギを握るのは、やはり相談員です。しかし、相談員だけが頑張っていても、うまくいきせん。施設として、全体で目標を共有し、そこに向かうマインドと環境作り出していく必要があります。
稼働率向上の具体的取り組みについては、内的要因に関しては、明日からでも取り組める内容もいくつかあります。ぜひ、取り組めるものからチャレンジしてみてください。
外的要因に関しては、日々の積み重ねや、計画性、専門性が必要となる部分もあります。必要性をしっかり見極め、第三者機関にサポートを求めることも選択肢の1つでしょう。
最後に、どれだけ稼働率向上のための取り組みを行っても、肝心のサービスの質が低ければ、リピートや紹介に繋がりません。営業とともに、サービスの質の向上も求められます。
「運営指導が怖い…」 「加算を取りたいけど、どうやっていいかわからない…」など
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