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訪問看護の処遇改善加算(介護保険の指定訪問看護・介護予防訪問看護)は、令和8年度(2026年度)の臨時改定で新設され、
「総単位数×1.8%(1000分の18)」を上乗せする形で算定されます。
現場で止まりやすいのは、算定率そのものよりも、「介護保険分だけが対象」という線引きと、
賃金改善の設計(不足すると返還になり得る)です。
運営指導では「計画書は出せるが、給与明細のどれが処遇改善分か説明できない」状態で説明が止まります。
この記事でわかること
訪問看護は、同じ事業所でも「医療保険」と「介護保険」で請求の枠が分かれます。
今回の処遇改善加算は、介護保険の指定訪問看護(介護予防訪問看護を含む)に新設される加算です
(厚生労働省「令和8年度介護報酬改定 介護報酬の見直し案」)。
| サービス区分 | 介護職員等処遇改善加算(新設) |
|---|---|
| 訪問看護 | 1.8% |
| 訪問リハビリテーション | 1.5% |
| 居宅介護支援・介護予防支援 | 2.1% |
専門家の声「制度を読みに行く前に、月次の売上を“医療保険:介護保険”で分けてから試算すると、判断が早い」という意見です。介護保険売上が薄い事業所ほど、加算額は小さく見えます。逆に、介護保険の割合が一定規模ある事業所ほど、毎月の原資として読みやすくなります。
訪問看護の処遇改善加算は、告示案(見直し案)で次のように示されています。
指定訪問看護事業所が…指定訪問看護を行った場合は、イからリまでにより算定した単位数の1000分の18に相当する単位数を所定単位数に加算する。
(厚生労働省「令和8年度介護報酬改定 介護報酬の見直し案」)
ここでいう「イからリまでにより算定した単位数」は、
ざっくり言うと(処遇改善加算を除いた)介護保険請求の総単位数です。
請求ソフト上は「処遇改善加算の算定基礎」として自動計算される想定ですが、経営側の試算では次の式で足ります。
実務上の“ざっくり試算”は次の2段階です。
| 確認したいもの | どこで見る | 計算に使う値 |
|---|---|---|
| 介護保険の総単位数 | 国保連請求データ | 月間総単位数 |
| 加算率 | 見直し案(告示案) | 0.018 |
| 円換算 | 地域の単価 | 1単位の単価 |
この表は、訪問看護の処遇改善加算を「試算する前に押さえる入力値(総単位数・加算率・地域単価)」をまとめたものです。
例として、介護保険の総単位数が月200,000単位(売り上げが200万円)の場合。
この4万円弱は「利益」ではなく、原則として賃金改善の原資です。
後述する通り、賃金改善が加算額を下回ると返還になり得るため、“入った分をどう払うか”までセットで考えます。
対象は介護保険での指定訪問看護・介護予防訪問看護です(厚生労働省「令和8年度介護報酬改定 介護報酬の見直し案」)。
注意したいのは、訪問看護ステーションによくある次の混在です。
「自社にとって取る意味があるか」は、要件よりも先に “介護保険分の規模”で見積もるのが安全です。


訪問看護の新設された処遇改善加算は、加算Ⅳに準ずる要件(キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱ+職場環境等要件)または令和8年度特例要件で算定可能、とされています。
訪問看護の新設加算は、既存の処遇改善加算(介護職員等処遇改善加算)の考え方を土台に運用される可能性が高いため、
迷ったら先に「全体像」を押さえる方が早いです(介護職員等処遇改善加算の全体像(介護経営ラボ))。









「キャリア表はあるが、賃金規程と連動していない」
「処遇改善の原資が“なんとなく賞与”で、給与明細と突合できない」
この2つは、説明が止まって指摘を受けやすいです。先に賃金規程のひもづけを作る方が安全です。
訪問看護でも、職場環境や研修の整備は「実施したことが分かる形」が重要です。たとえば研修なら、年間計画と個別計画があるだけで、運営指導の説明が通りやすくなります。個別研修計画の型は、現場で回しやすい形を先に固定しておくと崩れにくいです(個別研修計画の作り方(記入例あり)。



職場環境要件は「何をやったか」より「誰が見ても追えるか」が見られます。議事録の体裁より、
実施日・参加者・内容・周知が揃っているかが先に問われます。
処遇改善の書類は、厚生労働省が様式を公表しています(厚生労働省「介護職員の処遇改善:加算の申請方法・申請様式」)。
一方で、提出先は指定権者(自治体)で、締切・提出方法・添付の考え方は自治体で差が出る可能性があります。
様式の差替や実績報告の様式例は、厚労省の「介護保険最新情報」にも出ます(厚生労働省「介護保険最新情報掲載ページ」)。運営指導での版ズレ(古い様式を使っている)は指摘が出やすいので、算定開始前に「最新版の確認」をルール化してください。
運営指導の全体像や、当日どこを見られるかは、先に把握しておくと準備の優先順位が決まります
(運営指導の全体像(介護経営ラボ)/運営指導と監査の違い(介護経営ラボ))。


処遇改善加算で一番痛いのは、「算定できたのに、最後に不足して返還」になる形です。原因はだいたい次のどちらかです。
月次で突合する表を1枚用意するだけで、年度末の事故は減ります。
ここまで読んでも「自社だと、どの給与項目で払うのが現実的か」で迷うことがあります。その場合は、無料経営相談で状況を一度棚卸しし、優先順位だけ先に決めてしまうと進めやすくなります。まずは「介護保険の規模」と「返還になりやすい運用」を切り分けるところからで十分です。
運営指導で「処遇改善の配分ルールはどこですか」と聞かれ、計画書は提示できたものの、給与明細の項目と結び付かず、その場で担当者がファイルを探し続ける。こうした場面は珍しくありません。
「計画書→賃金規程→給与明細→実績報告」が一本の線でつながるように、項目名と保管場所を固定しておくと、説明が止まりにくくなります。
処遇改善加算は、制度の文章を読めば読むほど「うちは合っているのか」「この設計で返還にならないか」と不安が増えやすい加算です。特に訪問看護は、医療保険と介護保険が混在しやすく、職種構成や手当の種類も事業所ごとに違うため、一般論のまま進めるとズレが出やすくなります。
本メディアを運用するProfessional Care International 株式会社では、訪問看護の処遇改善加算について、無料経営相談を受け付けています。次のような状況に心当たりがあれば、早めに一度棚卸しするだけで、判断がぐっと楽になります。
相談では、制度の説明だけで終わらせず、事業所の実態(介護保険の請求規模、給与体系、手当設計、研修の回し方)を前提に、無料経営相談で一緒に整理しましょう。
訪問看護の処遇改善加算は、率(1.8%)だけを見ると小さく見えることがあります(厚生労働省「令和8年度介護報酬改定 介護報酬の見直し案」)。判断は次の2軸で十分です。
取れそうだから取る、ではなく「取った後に回るか」を先に見ます。特に管理者が一人で回している事業所は、書類と給与の突合が属人化しやすいので注意してください。
なお、処遇改善だけで賃上げを設計し切ろうとすると歪みやすいです。賃上げ補助の制度が動いている年度は、併せて検討した方が資金繰りが安定します(介護賃上げ補助金(令和7年度)の解説(介護経営ラボ))。
以下は、厚生労働省「介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(第2版)」で、訪問看護の新設加算でも同じ論点になりやすいものを、質問→回答の形でまとめたものです(厚生労働省「介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(第2版)」)。個別の取扱いは自治体運用で差が出る可能性があるため、最終確認は指定権者の案内で行ってください。
A. 国保連の支払時期等を踏まえ、算定対象月と同一でなくても差し支えない旨が整理されています。
ただし、最終的に「加算額以上の賃金改善」になっていないと返還になり得るため、月次で見込みを突合して不足を潰しておく方が安全です(厚生労働省Q&A(第2版))。
A. 賃金改善に伴って増える社会保険料等の事業主負担分について、賃金改善額に含められる範囲が整理されています。
実務では、給与項目だけでなく「事業主負担込み」で見込みを作ると、年度末の不足が出にくくなります(厚生労働省Q&A(第2版))。
A. 返還対象になり得るため注意が必要です。
不足が出そうなときは、賞与等で追加配分して埋める考え方が示されており、月次で不足見込みを把握しておけば打ち手が間に合います(厚生労働省Q&A(第2版))。
A. 計画書の内容や、要件に関する根拠書類について、職員に周知していることが前提になります。
運営指導で止まりやすいのは「周知したと言うが、証拠が出ない」ケースです。回覧、説明会、掲示、電子共有など、事業所に合う方法で“残る形”にしてください(厚生労働省Q&A(第2版))。
運用まで含めて「自社だとどう組むのが安全か」で迷う場合は、無料経営相談で状況整理から始める方法もあります。全部を完璧に揃えるより、先に「返還になりやすいズレ」を潰す方が戻り作業が減ります。
「運営指導が怖い…」 「加算を取りたいけど、どうやっていいかわからない…」など
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