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【新設】居宅介護支援(ケアマネジャー)の処遇改善加算|算定要件・計算方法・新設内容・開業前にやること

居宅介護支援事業所(ケアプランセンター)の処遇改善加算についての算定方法や計算方法を専門家(片山海斗)が徹底解説

居宅介護支援(ケアプランセンター)で「処遇改善加算は算定できるのか」は、制度改定の動きと一次資料を押さえると迷いが減ります。厚生労働省が公表した「令和8年度介護報酬改定 介護報酬の見直し案」では、居宅介護支援費に介護職員等処遇改善加算が新設され、所定単位数の2.1%相当(1000分の21)を加算する案が示されています(令和8年6月施行予定)。
一方で、加算は「書類を出せば終わり」ではなく、賃金改善の設計と証拠の残し方が運営指導の焦点になります。

この記事でわかること

  • 「居宅介護支援は処遇改善加算の対象ですか?」
  • 「ケアマネだけの事業所でも、誰に配分できる?」
  • 「計画書・実績報告は何を、いつまでに出す?」

ここでは、見直し案に示された新設内容と、厚労省Q&Aで確認できる運用上の線引きをつなげて、開業準備で手を動かす順番まで落とします。制度は改定により取扱いが変わる場合があります。最新の取扱いは、厚生労働省および指定権者(自治体)の公式資料をご確認ください。

処遇改善加算の区分、計画書・実績報告の見方、配分ルールまで全体像を押さえたい場合は、介護職員等処遇改善加算の全体像も合わせて確認すると迷いが減ります。

目次

居宅介護支援は処遇改善加算の対象になりますか?

結論から言うと、厚生労働省の「介護報酬の見直し案」では、居宅介護支援費に介護職員等処遇改善加算を新設することが示されています。該当箇所では、居宅介護支援を提供した場合に「イからリまでにより算定した単位数の1000分の21」を所定単位数に加算する、という形です(詳細は厚生労働省「令和8年度介護報酬改定 介護報酬の見直し案」)。
運用や様式、提出期限などの細部は、今後の老健局長通知やQ&Aで具体化されることが多いため、開業準備では「やること」を先に固定しておくのが安全です。

イからリまでにより算定した単位数の1000分の21に相当する単位数を所定単位数に加算する。

厚生労働省「令和8年度介護報酬改定 介護報酬の見直し案」に掲載されている、居宅介護支援費の介護職員等処遇改善加算(新設)の記載です。

この文言どおりに読むと、居宅介護支援の所定単位数に2.1%相当を上乗せする扱いになります。実務では「どの単位数を母数にするか」「届出がいつから有効になるか」で請求が変わるため、算定開始月の扱いは自治体の案内で確定させてください。

いつから、どれくらい増えるのか(押さえておきたい見取り図)

区分位置づけ介護報酬上の増え方開業・運営で先にやっておくこと
介護職員等処遇改善加算(居宅介護支援)居宅介護支援費に新設(案)居宅介護支援費の所定単位数に、1000分の21(2.1%相当)を上乗せ賃金改善の設計、根拠規程の整備、周知、届出・計画書の提出準備
介護人材確保・職場環境改善等事業(補助金)加算とは別の仕組み交付率で補助(サービス類型で扱いが分かれる)申請要件(生産性向上等の取組・誓約など)の確認、実績報告まで見据えた管理

補助金については制度名が似ていて混同しやすいので、先に令和7年度の介護賃上げ補助金(職場環境改善等事業)の整理も合わせて押さえると、資金繰りと賃上げの順番が見えます。

「1000分の21」はどう計算する?居宅介護支援の算定イメージ

居宅介護支援の介護職員等処遇改善加算(案)は、考え方としては単純です。

  • その月の「居宅介護支援費(所定単位数)」を合計する
  • 合計単位数 × 21/1000 を加算単位数として上乗せする

たとえば、月の所定単位数合計が 10,000 単位なら、加算単位数は 10,000 × 21/1000 = 210 単位です
実際の金額は地域ごとの単価を掛けて決まるため、「単位→円」の換算は請求地の地域区分単価で確認します。

専門家の声

ここでつまずくのは計算式そのものよりも、
「どの単位数を母数にするか」「月次で賃金改善と突合できる形にしているか」です。
請求担当と給与担当が別だと、月次管理が崩れやすくなります。

介護職員等処遇改善加算の要件は?居宅介護支援で“現実に回る”形にする

居宅介護支援で処遇改善加算を算定するなら、要件は「加算の届出」と「賃金改善等の実施」がセットです。
見直し案でも「賃金の改善等を実施しているものとして届出を行った指定居宅介護支援事業所が加算する」とされています
厚生労働省「介護報酬の見直し案」)。

「賃金改善」の範囲はどこまで?(厚労省Q&Aで線引きを確認)

「処遇改善加算で、どこまでを賃金改善として扱えるか」は、厚労省のQ&Aに整理があります。
たとえばQ&Aでは、賃金に「基本給、手当、賞与等(退職手当を除く)」を含むこと、賃金改善に伴う「法定福利費等の事業主負担の増加分」を含められることが示されています(厚生労働省「介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(第2版)」 問1-1)。

この線引きは、居宅介護支援で月次の資金繰りを組むときに効きます。
国保連の入金タイミングと給与支給日がズレる場合は、
「月の加算見込み→支給→年度末精算」まで最初から設計しておくほうが安全です。
なお、厚労省Q&Aでは、新規に事業所を開設した場合でも、処遇改善加算を算定しない場合の賃金水準を営業計画・賃金計画などから試算して、賃金改善額を算出する方法でも差し支えないとされています(厚労省Q&A 問1-1)。
開業直後で前年度実績がない場合は、この考え方を前提に「計画書の数字」と「給与の実績」が一致するように設計します。

ケアマネ中心の事業所でも配分できる?(「全職種」が対象になり得る)

「ケアマネしかいないのに“介護職員等”ってどういうこと?」という疑問はよく出ます。厚労省Q&Aでは、事業所内の柔軟な職種間配分を認め、対象には介護職以外の全職種が含まれる、とされています。想定される職種例に介護支援専門員事務職等も挙げられています(同Q&A 問2-1-2)。

居宅介護支援は、介護職員が配置基準にいない一方で、加算の趣旨は「職員の処遇改善」です。
配分設計では、次の観点で社内ルールを先に決めます。

  • だれを対象にするか(常勤・非常勤、管理者、事務職を含むか)
  • どう配るか(基本給、毎月の手当、賞与の上乗せ)
  • いつ配るか(月次か、半期・年度末で精算するか)
  • だれが承認し、だれに周知するか(周知記録を残す)
専門家の声

「配分ルールそのものより、周知と証拠が弱いと運営指導で止まりやすい」という点です。就業規則や内規、説明資料、職員への周知記録は、加算の“本体”として扱います。

職場環境の改善費用は賃金改善に混ぜない

処遇改善加算は「賃金の改善」が要件です。厚労省Q&Aでは、キャリアパス要件や職場環境等要件を満たすための取組費用を、賃金改善額に含めることはできない、とされています(同Q&A 問1-5)。
居宅介護支援は間接業務が多いので、業務改善の投資(記録ソフト、機器、研修費)を先に入れたくなりますが、
賃金改善と経費は分けて管理します。

キャリアパス要件・職場環境等要件・見える化要件を「ケアプランセンター仕様」に落とす

処遇改善加算は、賃金改善だけでなく「なぜその配分が妥当か」を説明できる状態が求められます。居宅介護支援は職種が限られるぶん、要件を満たすための書類づくりも簡潔にできます。ポイントは、少人数でも“紙で説明できる”形にすることです。

任用要件・賃金体系の整備:役割と賃金の関係を先に書いておく

厚労省の補助金(介護人材確保・職場環境改善等事業)の要件では、職位・職責・職務内容等に応じた任用要件と賃金体系を定め、根拠規程を整備し、職員に周知することが示されています。常時雇用10人未満など就業規則の作成義務がない場合は、就業規則の代わりに内規等で整備・周知しても差し支えない扱いも示されています(介護保険最新情報 Vol.1454)。

居宅介護支援での実務は、たとえば次のような粒度まで落としておくと、後でブレません。

  • 職位(管理者、主任介護支援専門員、介護支援専門員、事務)
  • 職責(指揮命令、困難事例対応、給付管理、苦情対応、地域連携)
  • 賃金(基本給のレンジ、役職手当、資格手当、処遇改善手当の考え方)
  • 評価(担当件数だけでなく、記録の適正、法定研修の履修、連携の質など)

「評価制度を作り込む」よりも、「配分ルールの説明がつく最低限」を先に作るほうが、開業直後の現場に合います。

研修の組み立て:法定研修+事業所内の型づくりをセットにする

ケアマネの研修は外部研修だけで完結しません。居宅介護支援は書類・判断が多いので、事業所内で“判断の型”を共有できるかが生産性に直結します。

  • 新規受入れ時のアセスメント項目、記録の粒度
  • サービス担当者会議の運用(招集、議事録、同意)
  • 給付管理で事故が起きやすい箇所(過誤調整、月遅れ請求の扱い)
  • 苦情・事故の初動(誰が、どこまで、いつ報告するか)

研修計画を「年間予定+月1回の短時間ミーティング」程度にして、議事メモを残しておくだけでも、運営指導で説明が通りやすくなります。

職場環境等要件:居宅介護支援は“業務の棚卸し”がそのまま改善になる

職場環境の改善というと大げさに聞こえますが、居宅介護支援は、業務を分けて整理するだけで改善になります。補助金の要件でも「業務の洗い出しや棚卸し」「課題の見える化」「役割分担」などが例示されています(介護保険最新情報 Vol.1454)。

具体例としては、次のような取組が現場で効きます。

  • 給付管理とケアプラン作成の締切を予定表で固定し、事務が締切を通知する
  • 記録ソフトの入力ルール(どこまで書くか)を1枚にまとめる
  • 「同意が必要な書類」を一覧化し、交付・同意の証跡を同じ場所に保存する
  • 緊急時の連絡網、個人情報の持ち出しルールを紙で周知する

見える化:ホームページがなくても、まずは事業所内の掲示から始める

見える化は「第三者に説明できる状態にする」ことです。ホームページでの公表が難しい場合でも、事業所内掲示や配布資料で対応できるよう、自治体の案内に合わせて準備します。
なお、様式や公表方法は年度で変わることがあるため、最新の様式は厚生労働省の申請様式ページから確認するのが確実です。

計画書・届出は何を出す?居宅介護支援の実務で迷いにくい整理

処遇改善加算は「体制の届出」と「処遇改善計画書・実績報告」が絡みます。様式は毎年度更新されるため、入口は厚労省のまとめページをお気に入り登録しておくのが確実です(厚生労働省「介護職員の処遇改善:加算の申請方法・申請様式」)。

ページ内では、計画書(別紙様式2)や実績報告書(別紙様式3)、変更届などの様式が案内されています。補助金と加算の計画書が一体化している年度もあるため、「どの様式が自事業所の状況に当てはまるか」を最初に確認します。

取扱いは自治体の運用により異なる場合があります。本記事では一般的な扱いを示しますので、最終的には指定権者の資料をご確認ください。

開業前〜算定開始までの流れ(抜けやすいところに印を付ける)

タイミング事業所内でやること残しておきたい証拠
開業準備(指定申請と並行)賃金規程(就業規則または内規)、役割・任用要件、研修計画の骨子を作る規程の版、周知資料、説明の記録
算定開始前処遇改善計画書、体制届の準備/提出(提出先・締切は指定権者)受付控え、提出メール、電子申請の送信記録
月次運用加算見込みと賃金改善の突合、支給方法の運用賃金台帳、給与明細、配分根拠メモ
年度末〜翌年度実績報告、未達があれば精算(返還・追加配分の判断)実績報告書、追加配分の決裁・支給記録

「提出したか」だけでなく、月次で突合できる形にしておくと、運営指導の対応も楽になります。処遇改善まわりの書類・期限管理が煩雑になりそうなら、無料の経営相談で「開業準備の優先順位」と「加算管理の型」を一緒に点検する方法もあります。

賃金改善の配分設計|居宅介護支援で現実的に回る2パターン

居宅介護支援は人員規模が小さく、管理者がプレイングになりやすいサービスです。配分設計は、綺麗な制度論より「毎月回るか」で決めます。

パターンA:毎月の手当で配る(資金繰りと相性がよい)

  • 毎月の「処遇改善手当」として定額または変動額で支給
  • 支給対象(常勤のみ/非常勤含む)と算定方法を内規で固定
  • 年度末に不足が出ないよう、月次で積み上げを管理

Q&Aでは「決まって毎月支払われる手当」や、手当の名称(職能手当、資格手当、役職手当など)について考え方が示されています(厚労省Q&A 問1-3)。居宅介護支援は給与体系が単純な事業所が多いので、まずはこの型が扱いやすい傾向です。

パターンB:基本給の底上げ+年度末精算(採用・定着に効く)

  • 基本給の引上げで処遇改善の意図を明確にする
  • 国保連入金とのズレや、稼働変動に備えて年度末に精算枠を残す
  • 人件費の固定化が重くなるため、収支計画とセットで判断する

経営判断としては、加算の見込み額だけで基本給を決めるのは危険です。居宅介護支援は売上の柱が限られるため、担当件数や加算(特定事業所加算など)も含めた収支で見ます。収支の組み方は居宅介護支援事業所の収支・立ち上げで全体像を押さえ、担当件数の上限運用が気になる場合はケアマネ担当件数「45件」の考え方も確認しておくと、採用条件と稼働の見立てが立てやすくなります。

指摘されやすい不備|返還・未達を招くポイントと立て直しの順番

処遇改善加算で多い事故は、「ルールを知らない」より「運用がズレたまま年度末を迎える」ことです。厚労省のQ&Aでも、賃金改善額が加算額を下回ると要件未充足になり得ること、支給タイミングの扱いなどが論点になっています(厚労省Q&A)。

落とし穴:賃金改善額が加算額を下回っている(返還の火種)

月次で見ると数千円の差でも、年度で積み上がるとズレが大きくなります。よくある原因は次の通りです。

  • 国保連入金を待って支給し、年度末の精算を忘れる
  • 退職・入替で対象者が変わり、配分が想定より薄まる
  • 研修費や機器購入費を賃金改善に混ぜてしまう(Q&A上は不可)

立て直しは「不足額の把握→追加配分(賞与等)→根拠の記録→実績報告」の順番で進めます。ここで曖昧なまま報告すると、運営指導で説明が通りにくくなります。

現場の一コマ:運営指導で“書類はあるのに説明できない”が起きる

運営指導の場で、計画書と賃金台帳は出せるのに、「この支給が処遇改善の原資で、年度で加算額以上になっている」という説明がその場で組み立てられず、宿題になることがあります。担当者が変わったときに起きやすいので、月次の突合表を簡単でも残しておくと対応が早くなります。運営指導の準備全般は運営指導の流れと事前準備も参考になります。

これから開業する人向け|「処遇改善」を前提にした開業準備の現実

居宅介護支援は、ケアプランの品質と地域連携が収益に直結します。処遇改善加算(案)は追い風ですが、開業準備でやるべきことは加算だけではありません。

  • ケアプラン作成と記録の型を早めに固める(基礎はケアプランとは
  • 採用・定着の条件(給与・研修・役割)を紙に落とす
  • 加算・補助金の手続きは「提出→月次→年度末」まで一続きで設計する

特に、補助金(介護人材確保・職場環境改善等事業)では、生産性向上等の取組として「ケアプランデータ連携システムに加入していること(加入の誓約を含む)」等が申請要件として示されています(介護保険最新情報 Vol.1454)。今後、居宅介護支援の処遇改善加算の実務でも同種の要件や確認が入る可能性があるため、開業時点から業務の電子化・記録の整備を進めておくと後が楽です。

制度改定や自治体運用で、細部(提出期限、様式、誓約の扱い)が変わることがあります。開業準備の段階で「自分の自治体での実務」を短時間で確かめたい場合は、無料の経営相談で論点の洗い出しから一緒に進めることもできます。

まとめ

居宅介護支援(ケアプランセンター)の処遇改善加算は、厚生労働省の「介護報酬の見直し案」で新設が示され、所定単位数の2.1%相当(1000分の21)を加算する形が提示されています。算定を見据えるなら、届出や計画書だけでなく、賃金改善の設計と月次の突合、周知と証拠の残し方まで含めて準備することが重要です。開業準備では、収支計画・採用条件・業務の型を先に固めると、加算が始まった後も運用が崩れにくくなります。

本記事は一般的な情報提供を目的としています。最終的な判断や手続きは、指定権者(自治体)の案内・公式資料をご確認ください。制度改定等により取扱いが変わる場合があります。

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