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2024年6月、介護報酬改定により「介護職員等処遇改善加算」(以下、新加算)がスタートしました。 介護職員の処遇改善に関する3つの加算(※旧「処遇改善加算」「特定処遇改善加算」「ベースアップ等支援加算」)が一本化され、加算率も引き上げられています。本記事では、新加算の制度目的や背景、対象となる事業所・職種、申請方法や算定要件、2024年改定の最新動向まで分かりやすく解説します。また、行政の運営指導(実地指導)で確認されるポイントや、制度対応を怠った場合のリスク事例、経営者として準備すべき実務対応も網羅しました。専門家である片山海斗の視点からのアドバイスや図解も交えています。経営やITに詳しくない介護事業者の方でも理解できる内容になっていますので、最後までお読みいただき、新加算への対応にお役立てください。
介護職員等処遇改善加算(新加算)は、介護職員の賃金を底上げし人材確保につなげることを目的とした制度です。 2009年の介護報酬改定で初めて創設された「処遇改善加算」以降、介護職員の給与改善策として段階的に拡充されてきました。2019年には経験・技能のある職員の処遇をより手厚くする特定処遇改善加算が、2022年には全体のベースアップを図るベースアップ等支援加算が追加されました。しかし加算が増えるにつれ制度が複雑化し、事業者側の手続き負担や職員への周知の難しさが課題となっていました。
こうした背景から、2024年度の介護報酬改定で処遇改善加算の仕組みが見直され、新たに「介護職員等処遇改善加算」として一本化されました。
国は介護人材の確保・定着をさらに推進するため、2024年度に2.5%、2025年度に2.0%の賃金ベースアップを実現できるよう新加算の導入を決定しました。この財源には消費税財源や介護保険料が充てられ、現場で働く介護職員の処遇改善を強力に後押しする狙いがあります。
【厚生労働省】「処遇改善加算」の制度が一本化
処遇改善加算とは…介護報酬に上乗せされる加算の一種で、取得した加算額はすべて介護職員等の賃金改善に充当することが義務付けられている制度。事業所が要件を満たし計画書を提出することで算定できます。
介護職員等処遇改善加算(新加算)は、介護保険サービスを提供する全ての種別の事業所が対象です。 特別養護老人ホームやデイサービス、訪問介護、グループホーム等、介護保険における介護サービス事業所であれば基本的に算定可能です(※介護予防サービス等一部除外あり)。対象となる職種は主に介護職員ですが、「介護職員等」という名称の通り、看護職員やリハ職員、生活相談員、調理員など直接ケアに関わるスタッフも含めて賃金改善の対象にできます。ただし管理者や施設長、法人役員等の経営層は対象外であり、また配分にあたっては介護職員(介護に従事する職員)を優先するルールがあります
管理者や施設長、法人役員等の経営層は対象外です。よくある間違えやすいポイントになっているので注意してください。
事業種別 | 新加算Ⅰ | 新加算Ⅱ | 新加算III | 新加算IV |
---|---|---|---|---|
訪問介護 | 24.50% | 22.40% | 18.20% | 14.50% |
夜間対応型訪問介護 | 24.50% | 22.40% | 18.20% | 14.50% |
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 | 24.50% | 22.40% | 18.20% | 14.50% |
(介護予防)訪問入浴介護 | 10.0%~11.0% | 9.0%~10.0% | 8.0%~9.0% | 6.5%~7.5% |
通所介護(デイサービス) | 9.0%~10.0% | 8.0%~9.0% | 7.0%~8.0% | 5.5%~6.5% |
地域密着型通所介護 | 9.0%~10.0% | 8.0%~9.0% | 7.0%~8.0% | 5.5%~6.5% |
(介護予防)通所リハビリテーション | 8.0%~9.0% | 7.0%~8.0% | 6.0%~7.0% | 5.0%~6.0% |
(介護予防)特定施設入居者生活介護 | 12.80% | 11.80% | 10.70% | 8.80% |
地域密着型特定施設入居者生活介護 | 12.80% | 11.80% | 10.70% | 8.80% |
(介護予防)認知症対応型通所介護 | 18.10% | 17.40% | 15.00% | 12.20% |
(介護予防)小規模多機能型居宅介護 | 14.90% | 14.60% | 13.40% | 10.60% |
看護小規模多機能型居宅介護 | 14.90% | 14.60% | 13.40% | 10.60% |
(介護予防)認知症対応型共同生活介護 | 18.60% | 17.80% | 15.50% | 12.50% |
介護老人福祉施設 | 14.00% | 13.60% | 11.30% | 9.00% |
地域密着型介護老人福祉施設 | 14.00% | 13.60% | 11.30% | 9.00% |
(介護予防)短期入所生活介護 | 14.00% | 13.60% | 11.30% | 9.00% |
介護老人保健施設 | 7.50% | 7.10% | 5.40% | 4.40% |
(介護予防)短期入所療養介護(老健) | 7.50% | 7.10% | 5.40% | 4.40% |
(介護予防)短期入所療養介護(病院等) | 5.10% | 4.70% | 3.60% | 2.90% |
介護医療院 | 5.10% | 4.70% | 3.60% | 2.90% |
(介護予防)短期入所療養介護(医療院) | 5.10% | 4.70% | 3.60% | 2.90% |
新加算を算定するには、所定の「処遇改善計画書」を毎年度提出し、以下で述べる要件を満たす必要があります。 計画書には、当該年度における賃金改善の実施内容(誰にいくら賃金を上げるか)、職場環境の改善策などを記載します。また年度終了後には実績を報告する「処遇改善実績報告書」を提出し、計画どおりに賃金改善を行ったか検証されます。こうした申請・報告業務は各事業所の指定権者(多くは都道府県)に対して行い、提出期限も毎年定められています(例:計画書は4月15日まで、実績報告は翌年7月末までなど)。期限を守らなかった場合、加算が認められないので注意が必要です。なお、計画書・報告書の様式は厚生労働省から示されており、自治体HPで入手できます。
新加算の算定要件としては大きく3種類(キャリアパス要件・月額賃金改善要件・職場環境等要件)があります。
新加算では最低区分(Ⅳ)でも①と②の両方が必須になるなど、旧加算よりハードルが上がっています。
小規模事業所等で④が難しい場合の例外規定もありますが、基本的には職員のキャリアアップ制度を整備し、それを就業規則等で明文化して全職員に周知しておく必要があります。
月額賃金改善要件とは、加算による収入の一定割合を「基本給や毎月支給される手当」の底上げに充てる要件です。
新加算(Ⅳ)相当額の1/2以上を毎月の賃金(基本給または定額手当)の改善に使うこと、と規定されています。要するに、処遇改善加算のうち少なくとも半分はボーナスではなく基本給等の月給アップに充当せよということです。これにより職員の安定的な収入増につなげ、加算終了後も賃金水準が維持されることを狙っています。
職場環境等要件とは、賃金以外に職場環境の改善に取り組む要件です。 職員の腰痛対策、育児と仕事の両立支援、ICT導入による業務負担軽減、研修機会の提供など、幅広い職場環境改善策の中から一定数の取組を行う必要があります。旧加算では24項目中1つ以上の実施で良かったものが、新加算では区分に応じて複数項目の実施が必要になります。例えば2025年度からは区分Ⅰ・Ⅱなら各カテゴリで2つ以上(生産性向上策は3つ以上)の取組が求められるなど要件が厳格化されます。実施した取組は見える化(ホームページや社内掲示で公表)も義務化されています。
以上の要件を満たし、毎年度の計画書提出・実績報告を適切に行うことで、新加算の取得・継続が可能となります。
ここだけの話、運営指導に職場環境要件の根拠が見られることになっています。これから処遇改善加算の返還は大いに増えることは間違いなしといえるでしょう。
※用語解説:キャリアパス要件…処遇改善加算を取得するために事業所が整備すべき人事制度要件。職位ごとの賃金表や研修計画、昇給ルールなど。
令和6年(2024年)介護報酬改定における最大の変更点は、処遇改善関連加算の「一本化」と「加算率引き上げ」です。 従来の「処遇改善加算」「特定処遇改善加算」「ベースアップ等支援加算」の3つが統合され、新たに介護職員等処遇改善加算(Ⅰ~Ⅳ)の4区分に再編されました。最高区分(Ⅰ)ではサービス収入の24.5%相当を加算として受け取れるなど、全体として加算率が約1.7%ポイント引き上げられています。事業者にとっては処遇改善の財源が拡充される一方、先述の通りクリアすべき要件も増えています。新加算の施行時期は2024年6月からで、4~5月分は旧加算体制の経過措置がとられました。 改定時点で各事業所がすぐ新要件を満たせないケースに配慮し、2024年度中(令和6年度末まで)は特例区分として新加算Ⅴ(1~14)が設けられています。
この新加算Ⅴは、事業所の現行(旧)加算の取得状況に応じて14パターンに区分され、2024年度内は従来の加算率を維持したまま加算率引き上げ分のみ上乗せできるようになっています
2025年度(令和7年度)からは経過措置が終了し、新加算Ⅰ~Ⅳへの完全移行が予定されています。 厚労省も「2024年度中に移行体制を整える必要がある」と通知しており各事業所は経過措置の間に就業規則の改定や研修計画の整備など要件充足に向けた準備を進めるよう呼びかけています。2024年度については一部要件が「誓約」による充足特例も認められており、「研修の実施」「昇給制度の整備」等について年度内に実施予定と誓約すれば新加算を算定可能という緩和措置もあります。この特例を活用しつつ、早めに高い区分へ移行して賃金改善を進めるよう国は促しています。
厚生労働省では、新加算の手当の名称や具体的な運用方法について詳細な問答が示されています。経営者の方は厚労省発出の最新情報にも目を通し、制度変更に漏れなく対応することが重要です。
2024年2~5月の賃上げ補填…新加算開始が6月だったため、政府は2024年2~5月の4ヶ月分について介護職員一人あたり月額6,000円相当を補助する経過措置を講じました。これは令和5年度補正予算による臨時の措置で、新加算開始までの賃金引き上げを切れ目なく実現する狙いがありました。
処遇改善加算は行政の運営指導(実地指導)でも重点的にチェックされる項目です。 なぜなら、この加算は介護職員の賃金改善という目的が厳格に定められた公的資金であり、不適切な運用がないか厳しく監督する必要があるためです。各都道府県などの指導監査担当者は、処遇改善加算を算定している事業所に対し、以下のポイントを確認します。
就業規則や賃金規程の内容確認が行われます。特に職位や資格に応じた賃金体系を整備しているか(キャリアパス要件Ⅰ)研修計画を策定し研修を実施しているか(キャリアパス要件Ⅱ)は指導でよく指摘されるポイントです就業規則に職務段階ごとの給与レンジが明記されているか、研修記録が残っているか、といった具体まで確認されます。「キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱを満たし加算Ⅰを算定している事業所は、研修記録・就業規則が追加でチェックされる」とも言われ最も指摘が多い項目とされています。
計画書で選択した職場環境改善策(例えばミーティングの実施、産休育休制度の整備など)が本当に実行されているか、職員への周知や記録があるかも確認対象です。「腰痛予防のための機器導入」を挙げていれば、その機器の購入記録や設置写真などの証拠を示す必要があります。
今までの運営指導は処遇改善を詳しく見るガイドラインは作成されておらず、要件が満たされていなくても指摘されるケースは少ない状況デイしたが、2025年4月以降ガイドラインが更新され「運営指導」にて処遇改善加算における「職場環境要件」のチェックが開始される運びになっています(独自情報)
以上のように、新加算については「計画通りに賃金改善がなされているか」「必要な制度整備ができているか」を細かくチェックされます。特に新加算は要件が強化されたこともあり、行政も重点指導項目に位置付けています。自治体によっては運営指導の事前チェックリストで「処遇改善加算の計画書・実績報告の提出状況」「賃金改善の配分状況」を細かく確認しているケースもあります(例:名古屋市「運営指導当日に用意いただく書類」では処遇改善計画書・実績報告書・給与台帳の提示が求められています)。
なぜ新加算がここまで重視されるのか? それは、公費・保険料で賄われる処遇改善加算が、本来の目的である「介護職員の処遇向上」に確実に使われていることを担保する必要があるからです。万一、加算を受けながら職員に還元していなかったり、不正な申請をしていた場合、公的資金の不正受給にあたります。そのため行政も厳正にチェックを行い、必要に応じて指導や監査、処分を行うのです。新加算は金額も大きくなった分、一層透明性の高い運用が求められる点に注意しましょう。
もし処遇改善加算の要件を満たさず不適切に受給した場合、事業所には重大なペナルティが科される可能性があります。 単なる計画未達でも「不正受給」と見なされます。この章では実際にあったケースをご紹介します。
とある訪問介護事業所では、キャリアアップ要件を確認せずに、処遇改善加算Ⅱを算定していました。運営指導にて不適切受給が判明し、受け取った加算の全額返還(2629万円)がありました。また、実績報告書を提出しなかった場合は、不正受給と判断され全額返還が必要になります。虚偽報告があった場合も当然全額返還ですので、しっかりと要件を確認しましょう。
東京都豊田市のグループホームでは、処遇改善加算の要件を満たしていないまま請求を続けた結果、6か月間新規利用者受け入れ停止&報酬30%減額という一部効力停止処分と、約327万円の加算返還+40%の課徴金を命じられた事例があります。
悪質な場合、事業所指定そのものが取り消され、事業継続が不可能になります。複数の虚偽や他の法令違反も絡んだケースでは、加算返還+加算額の40%の罰金(課徴金)に加え、事業所指定取消しという厳しい処分が行われています
このように、処遇改善加算の不正受給には厳しい措置が取られます。特に近年は悪質な不正に対し加算額の40%を上乗せした「課徴金」の支払いも科せられるようになりました。これは不正受給への抑止力を高めるための制度です。
また、仮に悪意がなく知識不足によるミスであっても結果は同じです。実際に「要件を理解しておらず満たさないまま加算請求を続けた」というケースでも返還と処分が科された事例があります。「知らなかった」では済まされず、経営に多大な損害を与えかねません。 さらに、加算停止や指定取消しになれば利用者にも迷惑が及び、事業所の信用失墜は避けられません。処遇改善加算は職員の生活にも直結する重要な財源です。不適切受給は職員の待遇悪化にもつながり、離職の誘発にもなりかねません。以上のリスクから、経営者・管理者は処遇改善加算のルールを正しく理解し、確実に遵守することが求められます。
さらに、加算停止や指定取消しになれば利用者にも迷惑が及び、事業所の信用失墜は避けられません。処遇改善加算は職員の生活にも直結する重要な財源です。不適切受給は職員の待遇悪化にもつながり、離職の誘発にもなりかねません。経営者・管理者は処遇改善加算のルールを正しく理解し、確実に遵守することが求められます。
行政処分まで至らなくとも、計画未達の場合は加算の返還や翌年度の加算減算などペナルティがあります。例えば「賃金改善額が加算額に満たなかった」場合、その不足分を返還し、改善を指示されます(悪質なら全額返還)毎年の計画・配分が非常に重要です。
このような事態を防ぐためにも、専門家に相談したり自己点検するなど早めの対応が肝心です。 介護経営ラボでは処遇改善加算の適正運用について無料相談を受け付けていますので、不安な点があればお気軽にご相談ください(※無料オンライン相談:毎月先着5社まで)
介護事業経営者・管理者として、新加算に対応するためには社内での体制整備と継続的な管理が不可欠です。
まず処遇改善加算の担当者を決めましょう。規模に応じて事務長や総務担当者、人事担当者などが適任です。担当者には最新の加算要件や手続きについて研修を受けてもらい、厚労省のQ&Aや通知にも目を通すようにします。経営者自身も概要を把握し、必要に応じ社会保険労務士やコンサルタントなど専門家の助言を受けましょう。
キャリアパス要件を満たすため、職務ごとの等級制度や賃金テーブルを就業規則や給与規程に明文化します。職責や資格に応じて基本給や手当が上がる仕組みを整え、全職員に周知します。未整備の場合は早急に検討を開始し、必要なら社労士等の専門家に依頼して規程整備すると良いでしょう
毎年、指定権者(多くは県や市町村)に計画書を提出します。新加算では様式が一本化されており比較的書きやすくなっていますが、取得区分ごとの要件を満たしていることを記載・確認する必要があります。計画書作成時には、職員への賃金配分の方法(例えば全員一律○円アップ、資格手当○円増額等)を具体的に定めます。不明点は自治体の相談窓口やコールセンターに問い合わせながら進めましょう。提出期限を厳守し、写しを保管します。
計画が受理されたら、速やかに計画通りの賃金改善を実施します。毎月の給与で基本給や手当をアップさせ、漏れなく支給します。「配り切る」ことを念頭に、各職員に加算原資を分配しますtokita-fukushi.com。同時に、研修の実施や職場環境の改善策(選択した項目)も実行に移します。実施内容は必ず記録(写真、出席簿、議事録など)に残しましょう。賃金アップについては給与明細に反映されていることを確認し、職員にも説明しておきます。
賃金改善が計画通り進んでいるか定期的にチェックします。年度途中で計画との差異が生じそうな場合は、早めに追加配分するなど調整します(例えば賞与で調整して配り切ることも検討)。各職員の昇給額や手当増額分を一覧表にして管理すると把握しやすいです。また、新加算では基本給への配分割合要件がありますので、基本給等に充てた額が条件を満たすか計算し確認しましょう。
年度末~年度明けに、その年度の実績報告を行います。実際に支給した賃金改善額や実施した取組を記入し、期限までに提出します。報告書を作成する際、加算額以上の賃金改善を実施していること、前年度より増えた加算分以上の賃金アップをしていること、加算以外で職員給与を減らしていないこと等、配分ルールを再確認してください。報告書提出後、自治体からの照会や追加資料要求があれば迅速に対応します
処遇改善に関する書類一式(計画書・報告書の控え、賃金台帳の該当箇所コピー、研修記録、職場改善の資料等)を年度ごとに整理して保管します。少なくとも5年間程度は保管し、運営指導や監査にすぐ対応できるようにしましょう。特に給与台帳(賃金台帳)や出勤簿、就業規則は原本を用意し、指摘に備えます。
処遇改善加算を取得していること、各自の給与がその財源で増えていることを職員に説明します。併せて職場環境等要件の取組についても周知し、職員からの意見や要望を聞く場を持つと良いでしょう。現場の声を次年度の職場環境改善策に反映することで、職員のモチベーション向上や定着にもつながります。
以上が基本的な実務対応です。特に賃金規程の整備と記録の保管が重要で、運営指導で「絶対に書類が未整備」とならないようにしてください
厚労省は小規模事業者向けにモデル就業規則やキャリアパス制度例も公表しています
介護経営ラボでは「処遇改善加算対応の実務チェックリスト」をまとめた無料の資料を配布中です。体制整備や書類準備のポイントを網羅した資料となっていますので、ぜひご活用ください。
なぜ新加算がここまで重視されるのか? それは、公費・保険料で賄われる処遇改善加算が、本来の目的である「介護職員の処遇向上」に確実に使われていることを担保する必要があるからです。万一、加算を受けながら職員に還元していなかったり、不正な申請をしていた場合、公的資金の不正受給にあたります。そのため行政も厳正にチェックを行い、必要に応じて指導や監査、処分を行うのです。新加算は金額も大きくなった分、一層透明性の高い運用が求められる点に注意しましょう。
私が現場の経営者様から相談を受ける中で、処遇改善加算に関する見落としポイントがいくつかあります。 「加算額を一部事業所の経費に充ててしまっている」ケースです。経営的には気持ちも分かるのですが、処遇改善加算は原則全額を職員の賃金として支給する義務があるため、1円でも事業所に残してはいけません。過去には1円残らず配分しなかったために加算の返還を指導された例もあります。必ず「配り切る」を徹底するようにしてください。
また、キャリアパス要件の周知不足も多いです。就業規則にせっかく制度を定めても職員が内容を知らないと、運営指導で「周知していない」と指摘されることがあります。私は顧問先には職員面談や会議で処遇改善加算の制度説明をするよう助言しています。職員さん自身が制度を理解し、自分たちのキャリアアップや給与アップにつながっていると実感できると、現場の士気も上がりますのでご参考までにしてくださいね。
上図のように、新加算の取得には年度サイクルでの計画⇒実行⇒報告⇒検証という一連のプロセスが求められます。経営者はこのサイクルを毎年確実に回し、計画と実績のPDCAを行うことで、処遇改善加算を安定的に活用できます。特に報告後の監査・指導まで見据えて、日頃から記録類を整備しておくことが重要です。
なお、運営指導前には事前に「運営指導自己チェックシート」を使って準備状況を点検することをお勧めします。 介護経営ラボでも「運営指導完全攻略チェックシート(全40項目)」をご用意しています。処遇改善加算に関する項目も含め網羅していますので、無料ダウンロードいただきぜひご活用ください。
介護職員処遇改善加算は、介護事業所における職員の賃金改善を目的とした加算制度です。全5区分により、事業所が定める算定要件(キャリアパス要件や職場環境等要件)をクリアすることで、介護報酬に上乗せされる仕組みとなっています。
介護保険制度に基づく介護事業所が対象です。加算を算定するためには、所定の算定要件を満たす必要があり、これにはキャリアパス要件や職場環境等要件が含まれます。詳しくは、対象となる要件や適用条件を記事内で解説しています。
キャリアパス要件は、主に以下の3種類に分かれています。
要件Ⅰ: 職位や職務内容に応じた任用条件の明文化と周知。
要件Ⅱ: 研修計画の策定や実施、技術指導、及びその評価に関する仕組みの整備。
要件Ⅲ: 経験や資格に応じた昇給システム、または定期的な人事評価制度の導入。
各要件の詳細な基準や事例については、記事本文で具体例を交えて解説しています。
手続きは以下のステップで進めます。
①算定要件の確認: まず、事業所が各種算定要件を満たしているか確認します。
②賃金改善計画書の作成: 必要な情報(加算金の見込み額や賃金改善ルールなど)を記載し、格指定権者に提出します。
③職員への周知: 作成した計画書を全ての職員に配布し、ルールを周知します。
④実績報告: 収支を取りまとめ、所定の期日までに実績報告書を提出します。
各手続きの具体的な期限や必要書類については、記事内で詳しく説明しています。
介護職員処遇改善加算は、介護職員の賃金改善を通じて、職員の定着率向上やサービス品質の向上を実現するための重要な施策です。事業所の経営安定化が期待でき、介護業界全体の質向上にも寄与します。
制度改正や最新の運用方法については、厚生労働省や各都道府県の担当部署、または信頼性の高い業界情報サイトを随時チェックすることをおすすめします。当記事でも最新の情報に基づいた解説を行っておりますが、変更があった場合は速やかにアップデートする予定です。
介護職員等処遇改善加算(新加算)は、介護現場の処遇改善と人材定着に欠かせない制度です。
2024年の制度変更点を正しく理解し、適切な手続きを踏むことで、加算の恩恵を最大限に活用できます。本記事で解説した要点を踏まえ、計画的な対応を進めてください。処遇改善加算の適切な活用は、職員のやる気向上とサービスの質向上にもつながります。 経営者として前向きに取り組み、働きやすい職場づくりと経営の安定化の両立を目指しましょう。 最後までお読みいただきありがとうございました。当社では無料相談や各種資料提供を通じて介護事業者様の処遇改善加算対応をサポートしております。お気軽にお問い合わせください。
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