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介護業界では近年、介護施設の倒産が増加傾向にあります。帝国データバンクや東京商工リサーチなどの調査でも、特に訪問介護や小規模事業所を中心に、厳しい経営環境が続いていることが示されています。
一方で、倒産は突然起こるものではありません。多くの事業所では、資金繰りや人材、制度対応といった課題が重なり、「前兆」が現れています。
本記事では、介護施設・介護事業所が倒産に至る背景と前兆を整理し、経営初心者でも実践できる未然防止の考え方と具体策を解説します。
この記事でわかること
介護業界では、介護施設や介護事業所の倒産が近年増加しています。
最新の統計によると、2025年の老人福祉・介護事業者の倒産件数は 176件 と前年度比で増加し、2年連続で過去最多を更新しました。特に訪問介護の倒産が 91件 と突出しており、全体の倒産件数を押し上げる主要な要因になっています。
この背景には、人手不足や運営コストの上昇に加え、介護報酬のマイナス改定が収益を圧迫していることが指摘されています。
また、同種の信用調査では介護サービス会社全体の倒産率が過去最高水準に達しているとの報告もあり、訪問介護や通所サービスが特に厳しい状況にあることが分かっています。
こうした傾向は、介護事業者にとって制度対応や資金繰り、人材確保といった多様な課題が複合的に重なっていることを示しています。本章では、最新の倒産動向をふまえた介護業界の現状を整理します。

出典:株式会社東京商工リサーチ

近年、介護施設や介護事業所の倒産件数は明確な増加傾向にあります。これは一時的な出来事ではなく、介護報酬改定、人材不足、物価高騰といった複数の要因が同時に事業経営を圧迫しているためです。
特に訪問介護分野では倒産が急増しており、業界全体のリスクとして無視できない状況になっています。
信用調査会社の調査によると、直近年度における介護施設をはじめとする老人福祉・介護事業者の倒産件数は過去最多水準に達しています。
その中でも訪問介護事業所の倒産は全体の約半数を占めており、倒産増加の中心が在宅系サービスであることがわかります。
この背景には、介護施設は小規模事業所が多く、経営体力が弱い事業者が多い点があります。
少しの収益悪化でも資金繰りに直結しやすい構造が、倒産件数を押し上げています。
介護施設に従事する人の収入は、厚生労働省が定める介護報酬に大きく依存しています。
そのため、介護報酬改定は事業経営に直接的な影響を及ぼします。
直近の介護報酬改定では、処遇改善を目的とした加算の見直しが進められた一方で、訪問介護を中心に基本報酬が実質的に抑制されました。
この影響により、訪問介護事業所の多くが減収となり、経営が一段と厳しくなっています。
厚生労働省の調査では、訪問介護事業所の半数以上が報酬改定後に減収となったことが示されています。
また、一定割合の事業所が赤字経営に陥っており、報酬水準の変動がそのまま倒産リスクに結びついている実態が明らかになっています。
特に人件費や移動コストを吸収できない事業所では、報酬改定の影響が致命的になりやすく、廃業や倒産という選択を迫られるケースも増えています。
介護施設の中でも訪問介護は、他の介護サービスと比べて利益率が低く、人材不足やキャンセルの影響を受けやすい事業形態です。
そこに介護報酬改定による収益悪化が重なったことで、倒産が急増しています。
専門家の声私が現場で支援してきた訪問介護事業所でも、「報酬改定後に一気に資金繰りが厳しくなった」という相談が急増しました。
利益がほとんど出ない状態で人材確保を続けるのは、経営者にとって非常に重い判断になります。
介護施設や介護事業所が倒産に至るケースには、共通するいくつかの経営上の要因があります。
多くの場合、突発的な事故や一度の失敗が原因ではなく、日常の経営判断や管理不足が積み重なった結果として表面化します。
ここでは、現場で実際に多く見られる「倒産につながりやすい理由」を整理します。
介護事業の売上は、ほぼすべてが介護報酬によって成り立っています。そのため、介護報酬改定や算定要件の変更があると、介護施設の収益構造が一気に不安定になります。
特に加算の取得状況に左右される事業所では、ひとつの加算が外れただけで赤字に転落するケースも珍しくありません。



私が支援してきた事業所でも、「これまで黒字だったのに、加算が取れなくなった途端に資金繰りが回らなくなった」という相談は少なくありません。
介護報酬一本に依存した経営は、見た目以上にリスクが高いと感じています。
倒産に至る介護施設の多くで共通しているのが、経営数値を十分に把握できていない点です。売上や利益、人件費率といった基本的な数字を「感覚」で捉えており、月次での確認や分析が行われていないケースが目立ちます。
特に介護事業では、人件費が売上の大部分を占めるため、数%のズレがそのまま赤字につながります。数字を把握しないまま運営を続けることは、経営者自身がリスクに気づけない状態を作り出してしまいます。
慢性的な人材不足は、介護施設をはじめとした介護業界全体の課題です。人を確保するために給与を引き上げた結果、人件費率が過度に上昇し、利益が出なくなる事業所も少なくありません。
一方で、必要な人員配置や稼働状況を正確に把握しないまま採用を進めると、人件費だけが先行して増え、売上が追いつかない状況に陥ります。このバランスの崩れが、資金繰り悪化を招く大きな要因となります。
なお、近年この状況を危惧し、介護職員の賃上げなどの政策による動きが出ています。補助を受けられることは良いことなので、制度を活用することは非常に重要です。
運営指導(実地指導)や監査への対応が後手に回ることも、倒産につながる重要な理由のひとつです。書類不備や算定誤りを放置したままにしていると、指導時に過誤請求や不正請求を指摘され、多額の返還請求を受ける可能性があります。
返還額が大きい場合、資金繰りに耐えられず、そのまま廃業や倒産に至るケースも現実に起きています。
経営者や管理者がすべての判断を一人で抱え込み、第三者の視点を入れないまま運営を続けてしまうことも、倒産リスクを高めます。特に経営や制度に不慣れな場合、問題が起きていても「何が問題なのか」に気づけないことがあります。



倒産直前に相談を受けるケースほど、「もっと早く相談していれば選択肢があった」と感じることが多いです。
経営は孤独になりやすいですが、早めに外部の視点を入れることが重要です。


介護施設や介護事業所の倒産は、突然起こるものではありません。
多くの場合、経営・人材・制度対応の各所に「明確な前兆」が現れています。
しかし日々の業務に追われる中で、そのサインを「よくあること」「一時的な問題」と見過ごしてしまうケースが非常に多いのが実情です。
ここでは、実際に倒産や廃業に至った介護事業所で共通して見られた前兆を整理し、経営初心者でも気づける具体的なチェックポイントを解説します。
介護施設の倒産の最もわかりやすい前兆が、資金繰りの悪化です。
月末や賞与支給時期になるたびに資金のやり繰りに追われ、支払い順を考えながら経営している状態は、すでに危険水域に入っています。
具体的には、以下のような状況が続いている場合は注意が必要です。
これらは一時的な対処に見えて、実際には経営体力が削られているサインです。
介護施設職員の退職が続くことも、倒産前に非常によく見られる前兆です。
人材不足は介護業界全体の課題ですが、倒産に近づく事業所ほど、離職が連鎖的に起こります。
人が辞めることでサービス提供量が減り、売上が下がります。すると残った職員の負担が増え、さらに離職が進むという悪循環に陥ります。
特に訪問介護事業所では、この影響が短期間で経営に直結します。



私が支援してきた中で、倒産が近い事業所ほど「人が定着しない」という共通点がありました。
数字以上に、現場の不安定さは重要な経営サインだと感じています。
倒産に至る介護施設の多くは、自社の経営数値を正確に把握できていません。
売上や利益、人件費率を月次で確認せず、「なんとなく回っている」「今月も大丈夫そう」と感覚的に判断しているケースが目立ちます。
介護事業は利益率が低いため、数%のズレがそのまま赤字につながります。数値を把握していない状態は、経営者自身が危機に気づけない状況を生み出します。
運営指導(実地指導)や監査への対応を後回しにしていることも、介護施設の倒産リスクを高める要因です。
書類整備や加算要件の確認を「忙しいから後で」と放置していると、指導時に過誤請求や不正請求を指摘される可能性があります。
返還請求額が大きくなると、資金繰りに耐えられず、そのまま廃業や倒産に至るケースも現実に起きています。



倒産直前に相談を受ける事業所ほど、「運営指導の準備ができていなかった」というケースが多いです。
平時の対応が、経営を守る最大の防御策になります。


介護施設の倒産は、突発的な事故のように見えて、実際には日々の経営判断の積み重ねによって引き起こされるケースが大半です。
資金が尽きた瞬間に突然倒産するのではなく、数年単位で「選択を誤り続けた結果」として表面化します。
ここでは、テクニックや即効性のある施策ではなく、倒産リスクを根本から下げるために経営者が持つべき“考え方”と“仕組み”に焦点を当てます。
介護施設の倒産は一つの出来事ではありません。慢性的な赤字、職員の定着率低下、請求や加算の取りこぼし、制度改定への対応遅れなど、複数の要因が絡み合った最終結果です。
特に介護事業では、「忙しい」「人が足りない」という理由で経営判断を後回しにしがちですが、その積み重ねが致命傷になります。経営者自身が「現場を回す人」から「事業を守る人」へ意識を切り替えることが、未然防止の第一歩です。
多くの介護施設の倒産事例を見てきて感じるのは、数字の異変が必ず事前に表れているという点です。
売上や利益を“結果報告”としてしか見ていないと、危険信号を見逃します。重要なのは、利益率の低下、人件費率の上昇、稼働率の微減といった小さな変化を「前兆」として読み取る視点です。
KPI(重要業績評価指標)ですが、難しく考える必要はありません。「この数字が崩れたら、次に何が起きるか」を常に考える習慣が、倒産を遠ざけます。


介護報酬改定や算定要件の変更は、単年度の影響だけを見て判断すると危険です。報酬単価の引き下げや要件厳格化は、数年かけて事業体力を削っていきます。
特に訪問介護のように人件費比率が高いサービスでは、制度変更への対応遅れがそのまま赤字構造の固定化につながります。
制度は「点」ではなく「流れ」で捉え、自事業が将来どの位置に置かれるのかを考える視点が欠かせません。
「自分がいないと回らない」「全部自分で決めている」という状態は、一見すると強い経営者のように見えますが、実際には非常に脆弱です。
判断基準が個人に依存すると、誤りに気づきにくくなり、修正も遅れます。
経営判断を言語化し、数字やルールに落とし込むことで、客観的に見直せる状態をつくることが、倒産リスクを下げる重要な考え方です。
介護施設の経営者は孤独になりがちです。相談相手がいないまま意思決定を続けると、判断が内向きになり、リスクを過小評価しやすくなります。未然に倒産を防いでいる事業所ほど、「第三者に見られる前提」で経営をしています。
これは特定の専門家を指すものではなく、「自分の経営を外から見られても説明できるか」という姿勢そのものです。サービス提供体制加算などの制度をうまく活用すれば、また異なる未来が待っている可能性は十分にあります。



これまで多くの倒産寸前の介護施設を見てきましたが、共通しているのは『もっと早く気づけたはずのサイン』が必ずあったことです。
赤字になってから相談に来られるケースも多いですが、本来はその1〜2年前に手を打てた事例ばかりです。
倒産を防ぐ最大のポイントは、問題が小さいうちに向き合える経営姿勢を持てるかどうかだと感じています。
介護施設や介護事業所の倒産は、正しい行動を早めに取ることで防げるケースが少なくありません。
重要なのは、「問題が起きてから考える」のではなく、「今のうちに何を確認し、どう動くか」を明確にすることです。
最初に行うべきは、介護施設の現状を客観的に把握することです。以下の項目を一度、紙やExcelに書き出してみてください。
一つでも「答えられない」項目がある場合、それ自体が倒産リスクの入り口です。



倒産直前に相談を受ける事業所ほど、「赤字かどうかを正確に把握していなかった」というケースが多いです。
毎月の数字を把握するだけで、防げる倒産は本当に多いです。
介護施設では、人件費の管理だけ、稼働率の管理だけでは不十分です。人件費と稼働率は必ずセットで確認する必要があります。
例えば、職員を増やしたのに稼働が伸びていない場合、人件費率は急激に悪化します。
逆に、稼働が高いのに人が足りない状態が続くと、離職につながり、結果的に経営が不安定になります。
シフト表やサービス提供実績を使い、「この人員配置で、どれくらいの売上が立っているのか」を把握することが、倒産防止の基本です。
運営指導は、介護施設の倒産リスクと直結します。処遇改善加算などの支援や補助を受けている場合、書類不備や算定誤りが積み重なると、返還請求という形で一気に経営を圧迫します。
今すぐ確認すべきポイントは以下です。
「指導が来てから考える」のでは遅く、平時対応が不可欠です。


介護施設の経営が厳しくなってからの相談は、選択肢が限られます。一方で、「少し不安を感じた段階」で相談できれば、打ち手は大きく広がります。
特に、資金繰り・加算算定・運営指導対応は、経営者一人で抱え込むほどリスクが高まります。
第三者の視点を入れることで、問題を客観的に整理でき、誤った判断を防ぐことができます。



私が支援してきた中で、「もっと早く相談していれば倒産を避けられた」と感じるケースは少なくありません。
相談すること自体が、すでに立派な経営判断です。
介護施設や介護事業所が倒産・廃業した場合でも、利用者の介護サービスが即座に打ち切られることは原則ありません。厚生労働省のQ&Aでは、市町村(保険者)が中心となり、他事業所への引き継ぎや調整を行うとされています。
ただし、事業所の廃止が急だった場合、利用者や家族への説明が十分に行われないケースもあり、現場は混乱しやすくなります。そのため、経営者側としては「利用者への影響が最小限になるタイミング」で判断する責任も求められます。
訪問介護で倒産が多い理由は、事業構造そのものにあります。
これに加えて、直近の介護報酬改定では、訪問介護の基本報酬が実質的に抑制されたため、赤字に転落する事業所が急増しました。少しの収支悪化が、そのまま倒産リスクに直結しやすいのが訪問介護の特徴です。
返還請求を受けたからといって、必ず介護施設が倒産するわけではありません。ただし、返還額が大きい場合や、すでに資金繰りが厳しい状態では、倒産リスクが一気に高まります。
厚生労働省や自治体の運用では、分割返還や支払方法の相談が可能なケースもありますが、そのためには早期の対応と、状況整理が不可欠です。
返還請求を「指摘されてから考える」のではなく、平時から算定ルール・書類整備を行っておくことが最大の防御策になります。
正直に言えば、相談が遅れるほど選択肢は減ります。
一方で、赤字が小さい段階や、違和感を覚えた段階で相談できれば、改善策や立て直しの余地は十分にあります。
倒産を回避できた事業所の多くは、「まだ致命的ではない段階」で第三者の視点を入れています。相談すること自体が、リスク管理の一環だと考えることが重要です。
介護施設の倒産は、突然起こるものではありません。多くの場合、その前には 資金繰りの悪化、人材の不安定化、数字の把握不足、監査対応の後回し といった、複数の前兆が積み重なっています。
本記事で見てきた通り、倒産の原因は「制度改定」や「人手不足」そのものではなく、それらに対して どのような経営判断を積み重ねてきたか にあります。
「まだ回っているから大丈夫」「今は忙しいから後で考えよう」こうした判断が続くことで、気づいたときには選択肢がほとんど残っていない…それが、介護施設の倒産で多く見られる共通点です。
だからこそ重要なのは、倒産を“結果”として捉えるのではなく、日常の経営状態を定期的に点検し、前兆の段階で立ち止まることです。
もし今、「自分の施設は大丈夫だろうか」「このままの判断で良いのか、少し不安がある」そう感じているのであれば、早い段階で第三者の視点を入れることも一つの選択肢です。
無料経営相談では、現在の経営状況を整理し、倒産リスクの有無や改善の優先順位を客観的に確認できます。
「運営指導が怖い…」 「加算を取りたいけど、どうやっていいかわからない…」など
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