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【2024年度改定対応】通所介護の個別機能訓練加算を徹底解説

通所介護の個別機能訓練加算を徹底解説

本記事では、通所介護における個別機能訓練加算について、制度の基本から算定区分の違い、報酬、必要書類、人員配置、運営指導対策までを一気に理解できるよう整理しています。

専門家 片山海斗のアドバイスを踏まえ、経営者・管理者が「知らなかった」「勘違いしていた」で損をしないための、実務視点に特化した完全ガイドです。

この記事でわかること

  • 個別機能訓練加算Ⅰ(イ)(ロ)・Ⅱの違い、算定要件、報酬の考え方
  • 必要書類・人員配置・サービスの流れ
  • よくある選定ミスと返還リスクの解決策
目次

個別機能訓練加算とは

個別機能訓練加算のイメージ

個別機能訓練加算とは、通所介護において、利用者一人ひとりの心身状態や生活環境に応じた機能訓練を、計画的に実施した場合に算定できる加算です。

「個別」とは何を意味するのか

個別機能訓練で最も重要なのは、「全員同じ内容」ではないという点です。

よくある誤解として、

  • 午前中に全員で体操をしている
  • レクリエーションの中で身体を動かしている

といった取り組みを「個別機能訓練」と認識しているケースがありますが、原則として算定対象にはなりません

機能訓練とは

機能訓練とは、

  • 立ち上がり
  • 歩行
  • 移乗
  • 排泄動作
  • 食事動作

といった日常生活動作の維持・向上を目的とした訓練です。

近年はさらに、

  • 買い物
  • 調理
  • 掃除

などの手段的日常生活動作や、社会参加まで含めた支援が重視されています。

個別機能訓練加算Ⅰ(イ)(ロ)・Ⅱの違い

この区分の違いを理解するうえで、最初に押さえておきたいのがLIFE(科学的介護情報システム)への情報提出の有無です。

個別機能訓練加算は、単に「訓練を実施したかどうか」だけでなく、その訓練が利用者の状態改善・維持にどう結びついているかを、データで説明できるかという視点で区分されています。

特にⅠ(ロ)・Ⅱでは、LIFEへの情報提出が算定要件となっており、これは国が介護報酬を「実施量重視」から「アウトカム(結果)重視」へ転換している明確なメッセージです。

LIFEは、利用者の心身機能、ADL(日常生活動作)、訓練内容、評価結果などを全国で集約し、科学的に有効性が検証できる介護かどうかを判断する基盤として位置づけられています。
参考:科学的介護情報システム(LIFE)スタートガイド(厚生労働省)

個別機能訓練加算Ⅰ(イ)

個別機能訓練加算Ⅰ(イ)は、「利用者ごとに訓練内容を考え、計画を立てて実施しているか」を評価する、個別機能訓練加算の基本となる区分です。
ポイントは、「個別」という言葉の通り、全員同じ体操・同じプログラムではなく、その人の身体状況・生活課題に合わせた訓練になっているかどうかです。

生活との強い結びつきや、LIFEへのデータ提出までは求められておらず、まずは「計画を作る → 実施する → 記録を残す → 定期的に見直す」という基本的な流れがきちんと回っていることが重視されます。

個別機能訓練加算に初めて取り組む事業所が、最初に目指すべき区分と考えると分かりやすいでしょう。

個別機能訓練加算Ⅰ(イ)で最も重要なのは、個別機能訓練計画書と実施記録の内容が一致していることです。
機能訓練指導員が計画作成に関与していることが分かり、訓練内容・実施状況・評価が一連の流れとして説明できれば、大きな問題になることは少なくなります。

個別機能訓練加算Ⅰ(ロ)

個別機能訓練加算Ⅰ(ロ)は、Ⅰ(イ)を土台としながら、「その訓練が、実際の生活にどう役立つのか」まで踏み込んで評価する区分です。
Ⅰ(イ)との最大の違いは、訓練内容が「身体機能の向上」だけで終わっていないか、生活場面(自宅・外出・トイレ・入浴など)に結びついているかが明確に求められる点です。

たとえば、「下肢筋力向上」ではなく「自宅トイレでの立ち上がりを自立して行うための下肢訓練」といった形で、目的と生活課題が見える計画が必要になります。

書類の中身が一段階レベルアップするため、運営体制がある程度整ってきた事業所向けの区分といえます。

Ⅰ(ロ)では、訓練内容が利用者の実際の生活課題と結びついていることを、書類から読み取れるかが最大のポイントです。アセスメントで把握した生活状況が計画に反映され、評価結果が次の計画に活かされているかを説明できることが求められます。

個別機能訓練加算Ⅱ

個別機能訓練加算Ⅱは、「個別機能訓練を、データに基づいて改善しているか」を評価する、いわば質を問う区分です。

この区分では、LIFE(科学的介護情報システム)への情報提出が必須となり、国が進める「科学的介護」を実践できているかどうかが判断されます。

単に現場で頑張っているだけではなく、その結果を数値や評価として可視化し、次の計画にどう活かしているかまでが求められます。

そのため加算Ⅱは、制度理解・記録整備・マネジメント力が揃っている事業所向けの区分と考えると分かりやすいでしょう。

加算Ⅱでは、LIFEへの情報提出だけでなく、そのフィードバックを訓練内容の見直しに活用していることが重要です。LIFEの内容と個別機能訓練計画書・評価記録が整合しており、データに基づいた改善が行われていることを示せなければ算定リスクが高まります。

専門家の声

「個別機能訓練加算Ⅰ(ロ)やⅡは、なぜLIFEが必要なのか分からないまま算定している」という声をよく聞きます。
最近の実地指導の場では、LIFEの提出状況だけでなく、個別機能訓練計画書・評価記録とLIFEの内容が一致しているかまで確認されるケースが増えています。
区分の違いは、単なる報酬差ではなく、事業所の運営レベルを問われる違いだと考えた方が安全です。

個別機能訓練加算の全体的な構成

個別機能訓練加算の算定要件一覧

個別機能訓練加算の区分の違いは、「訓練の内容」そのものではなく、LIFEを通じて科学的に説明できる介護を行っているかどうかにあります。

特にⅠ(ロ)・Ⅱでは、計画書・訓練記録・LIFEの内容が一致していない場合、運営指導で指摘や返還につながるリスクが高まります。

項目個別機能訓練加算Ⅰ(イ)個別機能訓練加算Ⅰ(ロ)個別機能訓練加算Ⅱ
対象サービス通所介護通所介護通所介護
LIFEへの情報提出不要必須必須
機能訓練指導員の配置必要必要必要
個別機能訓練計画書の作成必須必須必須
訓練内容日常生活動作(ADL)の維持・改善を目的とした個別訓練同左同左
評価・見直し定期的に実施・記録LIFE提出データを踏まえて実施LIFE提出データを踏まえて実施
記録の整合性計画・訓練・記録の一致が必要計画・記録・LIFE内容の一致が必要同左
運営指導でのチェック計画と実施内容の乖離LIFE内容との不一致LIFE内容との不一致
経営・運営難易度低〜中中〜高
専門家の声

実地指導では、この表の「LIFE」「記録の整合性」の列がそのままチェック項目になります。
「どの加算を算定するか=どこまで運営体制を整えられるか」を、経営判断として考えることが重要です。

個別機能訓練加算の種類の違い

個別機能訓練加算の報酬と経営インパクト

個別機能訓練加算の経営イメージ

個別機能訓練加算は、1単位あたりの報酬額だけを見ると「そこまで高くない加算」に見えがちです。

しかし、通所介護においては“積み上げ型”で経営に効いてくる加算であり、算定の有無が年間売上に大きな差を生むケースも少なくありません。

個別機能訓練加算の基本的な報酬構造

通所介護における個別機能訓練加算は、利用者1人・1日あたりで算定されます。

そのため、稼働率が高い事業所ほど、経営インパクトは大きくなります。

  • 個別機能訓練加算Ⅰ(イ):1日あたり一定単位
  • 個別機能訓練加算Ⅰ(ロ):Ⅰ(イ)より高い単位数(LIFE提出あり)
  • 個別機能訓練加算Ⅱ:さらに上乗せ(LIFE提出+評価体制の充実)

例えば、

  • 定員30名
  • 稼働率80%(1日24名利用)
  • 月22日営業

という一般的な通所介護事業所の場合、1日数十単位の差であっても、それが「24名 × 22日 × 12か月」と積み上がることで、年間では数十万円〜100万円単位の差になることがあります。

専門家の声

現場でよくあるのが、「忙しいから」「人が足りないから」と個別機能訓練加算を取っていない事業所です。
しかし、年間ベースで数字を整理すると、人件費1人分に近い差額が出ているケースもあり、「もっと早く整備しておけばよかった」と言われることが本当に多いです。

個別機能訓練加算に必要な書類と提出先

個別機能訓練加算を算定するためには、「事業所内で整備・保管しておくべき書類」と「提出・提示が求められる書類」を正しく理解しておく必要があります。

個別機能訓練加算に必要な主な書類一覧

① 個別機能訓練計画書

  • 利用者ごとに作成
  • 心身機能・生活課題・訓練目標を明確に記載
  • 機能訓練指導員が関与していることが分かる内容

※Ⅰ(イ)・Ⅰ(ロ)・Ⅱすべてで必須

② 個別機能訓練の実施記録

  • 実施日
  • 実施した訓練内容
  • 実施者(機能訓練指導員等)
  • 利用者の反応・状態

「計画書どおりに訓練が行われているか」を確認するための重要書類です。

③ 評価記録・モニタリング記録

  • 一定期間ごとの評価
  • 目標に対する達成度
  • 計画見直しの必要性

評価がない場合、「訓練をやりっぱなし」と判断されるリスクがあります。

④ LIFE(科学的介護情報システム)への提出データLIFE提出が必要な場合の追加書類(Ⅰロ・Ⅱ)

個別機能訓練加算Ⅰ(ロ)・Ⅱでは、利用者の以下の情報をLIFEへ提出する必要があります。

  • 心身機能の状況
  • ADL(日常生活動作)
  • 個別機能訓練の内容
  • 評価結果

重要なのは、LIFEに提出している内容と、計画書・記録の内容が一致していることです。

専門家の声

実地指導では、「LIFEには入力しているが、計画書と内容が違う」ケースが非常に多いです。LIFEは独立した作業ではなく、日々の記録の延長線上にあるものだと理解する必要があります。



書類の提出先一覧

書類主な提出・提示先
個別機能訓練計画書原則:事業所で保管/運営指導時に提示
実施記録・評価記録原則:事業所で保管/運営指導時に提示
LIFE提出データLIFEシステム(厚生労働省)
体制届・加算届出指定権者(市町村・都道府県)

個別機能訓練加算を算定するには、「介護給付費算定に係る体制等に関する届出書」(加算の届出)を都道府県知事や市町村長などへ提出していることが前提です。

  • 提出先:指定権者(市町村・都道府県)
  • 提出時期:加算を算定しようとする月の前月15日
  • 区分変更(Ⅰ→Ⅱなど)の際は再届出が必要

個別機能訓練加算に必要な人員配置

個別機能訓練加算では、機能訓練指導員の配置が必須要件です。

主な対象職種は以下のとおりです。

  • 理学療法士(PT)
  • 作業療法士(OT)
  • 言語聴覚士(ST)
  • 看護職員(看護師・准看護師)
  • 柔道整復師
  • あん摩マッサージ指圧師(一定の実務経験要件あり)

いずれも「配置している」だけでなく、個別機能訓練に実際に関与していることが記録で確認できる必要があります。

また、機能訓練指導員は、専従である必要はありません。多くの通所介護事業所では、以下のような兼務体制を取っています。

  • 看護師がバイタル確認+機能訓練を兼務
  • 機能訓練指導員が他業務と兼務しつつ、訓練時間を確保

ただし、兼務の場合は「どの時間帯に、誰が、どの利用者に訓練を行ったか」を明確に説明できる体制が必要です。

サービス提供の基本的な流れ

個別機能訓練加算のサービス提供のイメージ

個別機能訓練加算では、アセスメントから計画、実施、評価、見直しまでを一連の流れとして適切に行っていることが求められます。

以下は、個別機能訓練を提供する際の基本的なサービス提供の流れです。

  • 利用開始時のアセスメント

    ここで重要なのは、医学的評価よりも「日常生活で何に困っているか」を言語化することです。
    立ち上がりが不安定、トイレ動作に時間がかかる、歩行時にふらつく等。

    ここで重要なのは、医学的評価よりも「日常生活で何に困っているか」を言語化することです。
    生活動作ベースの課題を把握することで、個別機能訓練計画書に具体性が生まれます。

  • 個別機能訓練計画書の作成

    アセスメントで整理した生活動作上の課題をもとに、「何を目的に、どのような訓練を行うのか」を明確にした個別機能訓練計画書を作成します。

    この段階で重要なのは、筋力向上や可動域訓練といった訓練メニューを書くこと自体が目的にならないようにすることです。

    たとえば、「下肢筋力訓練」ではなく、「自宅トイレでの立ち上がり動作を安定して行うための下肢筋力訓練」というように、生活課題 → 訓練内容 → 期待される変化が一文でつながる形が理想です。

    また、計画書には、「機能訓練指導員が計画作成に関与していること」「実施頻度・期間・評価時期が明確であること」が分かるように記載する必要があります。

  • 利用者・家族への説明と同意

    個別機能訓練計画書を作成したあとは、利用者本人および家族に対して、訓練の目的や内容を分かりやすく説明し、同意を得ることが必要です。

    ここで重要なのは、専門用語を使って詳細に説明することではなく、「なぜこの訓練を行うのか」「生活の中で何がどう変わるのか」を、相手が理解できる言葉で伝えることです。

    たとえば、「筋力をつけるための訓練」ではなく、「トイレで立ち上がるときに、今よりも安心して動けるようにするための訓練」といったように、生活場面をイメージできる説明が求められます。

    また、説明と同意は形式的な署名だけで終わらせないことが重要です。説明日や説明者が明確になっているかが大切です。

    利用者・家族が訓練の目的を理解し、納得したうえで取り組めている状態をつくることが、継続的な機能訓練と、トラブル防止の両面で重要なポイントとなります。

  • 計画に基づく個別機能訓練の実施

    ここで最も重要なのは、「計画書に書いてある訓練」と「現場で実施している訓練」が一致していることです。

    訓練の実施にあたっては、利用者の体調や当日の状態に配慮しながら変更することもあります。その際になぜ内容を調整したのかが説明できる形で記録を残すことが重要です。

    たとえば、「当日の体調不良により、立位訓練を座位訓練に変更」といった形で、変更理由を明確に記録しておくことで、計画との不整合ではなく、適切な判断として説明できます。

    また、機能訓練指導員が直接実施していない場合でも、指示内容や関与の状況が分かる記録を残しておくことが求められます。

  • 実施内容・利用者の状態を記録

    個別機能訓練加算では、訓練を実施した事実だけでなく、「どのような訓練を行い、その結果、利用者の状態がどうだったのか」を記録として残すことが重要です。

    この記録は、単なる作業報告ではなく、次回の評価や計画見直しの根拠となる情報になります。
    記録を行う際のポイントは、「実施した訓練内容」と「利用者の反応・変化」を切り分けて記載することです。

    たとえば、訓練内容だけを並べるのではなく、「立ち上がり動作は前回よりも安定し、介助量が一部軽減した」「歩行時のふらつきは見られたため、次回も見守りを継続する」といったように、状態の変化が読み取れる表現が求められます。

  • 定期的な評価・モニタリング

    個別機能訓練加算では、訓練を実施して終わりではなく、一定期間ごとに利用者の状態を評価し、その結果をもとに訓練内容を見直していくことが求められます。

    ここでいう評価・モニタリングとは、「良くなったかどうか」を感覚的に判断することではありません。

    今までの蓄積した記録をもとに、立ち上がりや歩行などの生活動作にどのような変化があったのかを整理し、目標に対する達成度を確認するプロセスです。

    評価の結果、「目標が達成されていれば、次の生活課題に移行する」「改善が見られなければ、訓練内容や方法を再検討する」といったように、判断と対応を明確にすることが重要になります。

  • 必要に応じた計画の見直し

    定期に実施した評価・モニタリングの結果をもとに、個別機能訓練計画書を必要に応じて更新することが求められます。

    ここでのポイントは、単に計画書の数字やメニューを変えるだけではなく、「利用者の生活課題の変化に合わせて目標を修正する」「訓練内容や頻度を、効果や安全性に応じて調整する」「家族や介護スタッフとの情報共有も含めて反映する」といった形で、「評価 → 計画修正 → 実施」のPDCAサイクルを回すことです。

  • (Ⅰロ・Ⅱの場合)LIFEへの情報提出

    個別機能訓練加算Ⅰ(ロ)・Ⅱでは、STEP①〜⑦で実施した評価・記録の内容を、LIFE(科学的介護情報システム)に提出することが求められます。

    LIFEへの情報提出の目的は、単に「提出すればよい」という形式的なものではなく、利用者の機能改善や生活課題の変化を、科学的に示すことにあります。

    提出する主なデータには、「利用者の心身機能の状態」「実施した訓練内容」「評価結果や改善状況」などが含まれます。

    これにより、国や自治体は、「加算算定が本当に生活の改善につながっているか」を客観的に確認できる仕組みとなります。

    実務上のポイントとしては、「提出だけで算定要件を満たすわけではない」「フィードバック結果を次回の訓練計画に必ず反映させる」「記録と提出内容に整合性があること」が重要になります。

よくある選定ミスと返還リスク

個別機能訓練加算は、正しく選定・運用すれば経営を安定させる一方で、選び方や理解を誤ると、返還リスクを一気に高めてしまう加算でもあります。

ここでは、実際の運営指導・実地指導の現場で多い「やってしまいがちな選定ミス」と、その結果起こり得るリスクと解決策を解説します。

選定ミス①「取れるから」という理由でⅠ(ロ)・Ⅱを選んでしまう

想定されるリスク

  • 運営指導で算定要件不備を指摘
  • 遡及返還(数か月〜1年以上分)
  • 加算区分の変更指示

本来どうすれば良かったのか

  • 加算単価ではなく、自事業所で再現できる運営レベルで区分を選定する
  • LIFE提出・評価・見直しを「実務として回せるか」を事前に確認する
  • 判断に迷う場合は、まずⅠ(イ)から開始し、体制整備後に区分変更する

選定ミス②機能訓練指導員の関与が形式的になっている

想定されるリスク

  • 実質的に関与していないと判断される
  • 人員配置基準違反として算定否認される
  • 記録全体の信頼性を否定される

本来どうすれば良かったのか

  • 計画作成・評価・見直しに必ず指導員が関与する
  • 署名だけでなく、内容について説明できる状態を作る
  • 非常勤の場合でも、関与頻度・役割を記録で明確に残す

選定ミス③LIFE提出内容と現場記録が一致していない

想定されるリスク

  • LIFE情報の不整合・虚偽と判断される
  • Ⅰ(ロ)・Ⅱの算定要件を満たしていないとされる
  • 区分変更や返還を求められる

本来どうすれば良かったのか

  • LIFE提出前に、計画書・実施記録・評価との突合を行う
  • 数値の根拠を説明できる状態にしておく
  • LIFEを「後から入力する作業」ではなく、運営改善のツールとして扱う

選定ミス④運営指導を想定した書類管理ができていない

想定されるリスク

  • 書類提示に時間がかかり、心証が悪化する
  • 書類間の整合性が取れていないと判断される
  • 軽微な不備が重大な指摘へ発展する

本来どうすれば良かったのか

  • 「計画→実施→評価→LIFE」を一連で説明できる構成に整理する
  • 書類の保管場所・管理責任者を明確にする
  • 定期的に自己点検(模擬運営指導)を行う
専門家の声

個別機能訓練加算に関する算定ミスの多くは、現場の努力不足ではなく、制度を「点」で捉えてしまっていることが原因です。

区分選定、計画書、記録、LIFE、人員配置は、本来それぞれ独立したものではなく、一連の運営フローとしてつながっているものです。

実地指導では、「やっているかどうか」よりも、「なぜその運営をしているのかを説明できるか」が問われます。

つまり、書類が揃っているか以上に、経営者・管理者が全体像を理解しているかが評価の分かれ目になります。

Q&A|厚労省・自治体の公開Q&Aより

非常勤の機能訓練指導員でも、個別機能訓練加算は算定できますか?

算定可能ですが、「関与の実態」が明確であることが前提です。機能訓練指導員について常勤・非常勤を問わず算定可能とされています。

ただし、重要なのは雇用形態ではなく、個別機能訓練計画の作成や訓練内容の評価・見直しに実質的に関与しているかどうかです。運営指導では、「名前だけの配置ではないか」が確認されます。非常勤の場合でも、関与内容が記録で説明できれば問題ありません

LIFEに情報を提出していれば、個別機能訓練加算Ⅱは必ず算定できますか?

いいえ。提出しているだけでは算定できません。個別機能訓練加算Ⅱでは、LIFEへの情報提出に加えて、LIFEからのフィードバックを活用し、訓練内容や計画を見直していることが算定要件となっています。

  • フィードバックを踏まえて計画を修正した記録
  • 評価内容が次回計画に反映されていること

まで説明できなければ、運営指導では算定要件未達と判断される可能性があります。LIFEは「提出作業」ではなく、運営改善のツールとして活用しているかが問われています。

まとめ

個別機能訓練加算は、通所介護において単なる収益加算ではなく、事業所の運営力や管理体制がそのまま評価される加算です。

2024年度の介護報酬改定以降、国は「実施しているか」ではなく、「その取り組みが利用者の生活機能の維持・改善につながっているか」をより重視するようになっています。

運営指導の現場では、計画書や記録が存在するか以上に、計画・実施・評価・見直し、そしてLIFEまでを一連の流れとして説明できるかが確認されます。

区分選定や書類整備を後回しにしたまま算定を続けると、返還リスクが高まる点には注意が必要です。

一方で、自事業所の体制に合った区分を選び、無理のない運用を積み重ねていけば、個別機能訓練加算は決して難しい加算ではありません。

制度を正しく理解し、日常業務の中で自然に回る仕組みを作ることができれば、個別機能訓練加算は経営を守り、事業所の価値を高める重要な要素になります。

目次