【解説】介護人材不足の解決策|早期退職を防ぐための方法

介護人材不足_早期退職

近年、中途採用者や新入社員を中心に入職後3年未満の離職者が増加しています。
特に介護業界においては3年以内に辞める離職率は驚異の50%と非常に高い水準を示しており、今後の介護経営を安定させるためには「如何にして、3年未満の離職者を減らすか」という視点が必要になります。

この記事では実際に合った事例をもとに、現場で即実践可能な「早期退職防止策」を解説しています。

目次

介護人材不足の原因でもある離職の多さ

介護業界の有効求人倍率は3.63%(2021/8月時点)を超え、求人広告を出しても応募者が殺到する事業所はほとんどありません。逆手に取ると、仕事を探している人にとっては選び放題となっているのも事実です。

多くの介護事業者が間違ってしてしまっているのは「人材定着していない状態で採用をかけている」
言わずもがな、人を迎える環境を整備していないのにも関わらず採用しても無駄ということです。

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働く理由・動機付けを会社から”どう与えるか”という視点

インターネットでの採用活動が中心となっているなかで、SNSを見ていると自分に合った求人内容が掲載され、Youtubeでは自分が働いている業界の採用CMが流れています。

このような状況下で、「嫌なことが職場で続いた」「人間関係を断ち切りたい」「気になる求人が目にはいり転職してしまう」ということが起きる可能性があります。

しかし、あなたの会社の従業員の多くは転職することなく、そのまま働いている人が大半です。
あたりまえですが、「従業員が働く理由」が会社にあるからです。

その理由や動機付けとは決して給与だけではなく付加価値にあります。

人を迎える環境を徹底的に整備する

  • 自分が働きやすいから
  • 人と話すのが好きだから
  • 一緒に働く人が魅力的だから
  • 介護という仕事が好きだから

働く理由は従業員1人ひとり異なりますが、共通できるのは「働きやすい職場」です。

会社が従業員の価値観に介入し価値観を変えることはできませんが、離職率や採用コストなどを下げて職場環境を整備することはできます。

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新入社員への早期フォローが職場満足度を左右する

介護事業形態によって異なりますが、介護労働安定センターの調査によると3年未満に離職してしまう介護従事者が50%と高い水準を示しています。
したがって、早期退職をさせない仕組み作りが介護経営する上で必須となってきます。

正社員の場合、1人採用するのに人材紹介会社経由であれば年収の30~50%が相場となっており、約150万と非常に高額です。採用後、すぐ辞めてしまうと無駄なコストとなってしまいます。

【完全保存版】介護人材不足を解決!採用戦略の立て方を徹底解説>>

参考:介護労働安定センター

出勤初日の具体的なフォロー

早期退職を防ぐための一番重要な日とは”出勤初日”です。
わからないことがあれば質問できる環境なのか、風通しが良い職場なのかが客観的に見られる場面です。

  • タメ口で話す
  • 職歴・学歴の揚げ足をとる
  • いきなり仕事を覚えてもらう

こんなことは言語両断です。

初日は「仕事を覚えてもらう」ではなく「不安と緊張をほぐしてもらう」ことを意識しましょう。

入社した人材が定着する仕組みを確立させる

ここからは実際に現場で使える早期退職防止策をご紹介します。

悩みを聞き、課題を解決に導く

入社後1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月・12ヶ月と面談をおこない、些細なことでも良いので、困っていることがないかを確認しましょう。そうすることで働き手が抱える課題が見える化できます。その課題を解決するための手伝いや相談に乗るだけでも定着率が高くなります。

入社マニュアルを作成する

入社マニュアルとは、会社指針や物品の位置、基礎的な対応方法などを簡易的にわかりやすくまとめた資料です。
入社日に渡すことで、物品の位置を聞く手間やケアの方法を先輩方に聞く手間が省け教育コスト削減にも貢献します。

また、事業所の理念に基づいた教育マニュアルも同時に作成しておくことで生涯、ブレない体制が整います。
正しい介護マニュアルの作成方法>>

まとめ

いかがでしたか?今回は、早期退職を防ぐための方法を解説しました。
弊社Professional Care Japanでは、実地指導対策・従業員教育・経営安定化等、介護事業所における課題を総合的にコンサルティングしております。1時間の無料相談も実施しておりますので、ぜひご活用ください。

監修者:片山海斗

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