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介護事業所を経営、または開設を検討している経営者・管理者向けに、デイサービス(通所介護)の基本から運営の肝、利用者に選ばれる現場作りまでをわかりやすく解説します。
制度面の要点や経営でよくある失敗、加算や運営指導対応の実務的な注意点も含めてまとめました。
読み終わる頃には「何を改善すべきか」「どの相談が必要か」が明確になります。
(監修:片山海斗/Professional Care International 株式会社)
この記事でわかること


デイサービス(通所介護)とは、自宅で生活する要介護者が日中に施設へ通い、入浴・食事・機能訓練・レクリエーション・送迎などを受ける介護保険サービスです。
制度上は「通所介護」と呼ばれ、利用はケアプランで組まれます。制度概要・最新の給付統計は厚生労働省の公開資料で確認できます。厚労省:令和6年度介護給付費等実態統計の概況
運営者目線では、デイサービスは「在宅介護を支えるコアサービス」であり、地域包括ケアの中核として需要が安定しています。一方で、稼働率の管理、送迎効率、加算取得が収益性を左右します。
ここを放置すると収益が伸び悩むため、事業開始前に収支設計と導線を明確にすることが重要です。
専門家の声現場でよく見る失敗は「制度理解不足」からくる運営のズレです。
通所介護の本質は『機能維持と社会参加』。これをサービス設計の中心に据えないと、利用者と地域から選ばれません。




典型的な1日の流れは次の通りです。運営者はこれを基に動線・人員配置・スケジュールを最適化します。
経営で差がつくのは「機能訓練の実効性」「送迎の稼働率」「レクの魅力」など、利用者満足に直結する部分です。これらを数値化(稼働率、継続率、紹介数)してKPI化することをおすすめします。




デイサービスには主に次の4種類があり、目的や運営形態で分類されます。事業計画時には地域のニーズに合わせて選ぶことが重要です。
最も一般的なタイプ。入浴・食事・機能訓練・レクが中心です。中規模〜大規模でスケールメリットを取りやすい反面、設備と人件費がかかります。
定員が少ない(概ね18名以下)ため、個別対応・家庭的なサービスが強み。デイサービス開業コストを抑えられる反面、定員確保や集客施策が重要です。
認知症の方に特化したプログラムと環境を提供。専門性が高く加算取得の可能性もありますが、人材確保が課題です。
理学療法士(PT)等を配置し、短時間で高密度の機能訓練を行うモデル。利用者の自立度改善に貢献しやすく、地域で差別化しやすいです。
どのモデルを選ぶかは、地域の高齢化率、競合状況、事業者の人的資源を勘案して決めることが成功の鍵です。



「小規模で手堅く」と「リハビリで差をつける」はどちらも有効です。重要なのは自分たちの強みを早期に決め、そこにリソースを集中すること。中途半端な幅出しは失敗しやすいです。


デイサービス(通所介護)には、施設の利用者数や運営規模に応じた「規模区分」が設けられています。
これは、事業所の平均利用者数に応じて区分されるもので、介護報酬の単位数にも影響する重要な分類です。
通所介護の規模区分は、主に以下のように分けられています。
このうち、検索でもよく調べられているのが「通所介護の大規模1と大規模2の違い」です。これは、大規模なデイサービス事業所の中でもさらに利用者数によって区分されたものです。
通所介護の規模区分とは、事業所の平均利用延人員数(1日あたりの平均利用者数)によって決められる分類です。
デイサービスは事業所の規模によって運営体制や介護報酬が異なるため、制度上このような区分が設けられています。
一般的な目安としては、次のような区分になります。
| 区分 | 平均利用延人員数 |
|---|---|
| 地域密着型通所介護 | 18人以下 |
| 通常規模型通所介護 | 19人以上〜一定規模まで |
| 大規模型通所介護(Ⅰ) | 大規模事業所 |
| 大規模型通所介護(Ⅱ) | さらに大規模な事業所 |
大規模事業所は、多くの利用者を受け入れることができる反面、運営管理や人員体制の整備がより重要になります。
通所介護の大規模1(大規模型Ⅰ)と大規模2(大規模型Ⅱ)の違いは、主に平均利用延人員数の規模によって決まります。
簡単にいうと、
という位置づけになります。
また、規模が大きくなるほど、介護報酬の基本単位はやや低く設定される傾向があります。これは、大規模施設ではスケールメリットが働き、運営効率が高くなると考えられているためです。
ただし、大規模なデイサービスでは利用者数が多くなるため、送迎管理や職員配置、サービスの質の維持など、運営面での工夫も求められます。
デイサービスの規模区分は、単なる分類ではなく事業所の経営や運営体制にも大きく関係します。
例えば、
などに影響するため、デイサービスの開業や運営を考える事業者にとっては重要なポイントになります。
また、利用者にとっても、小規模で家庭的なデイサービスなのか、大規模で多くの利用者が集まる施設なのかによって、雰囲気やサービス内容が異なる場合があります。
そのため、デイサービスを選ぶ際には、サービス内容だけでなく施設の規模や特徴も参考にするとよいでしょう。


デイサービスは利用者や家族にとって多くのメリットがあるサービスですが、事業として運営する立場から見ても特徴があります。
通所介護は在宅介護を支える中心的なサービスであり、地域の高齢者を支える重要な役割を担います。一方で、人員配置や送迎、稼働率の管理など、通所サービス特有の運営課題もあります。
ここでは、デイサービスを事業者として運営する場合のメリットとデメリットについて解説します。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 地域ニーズが高く安定した需要がある 他サービスと連携しやすく事業展開がしやすい 施設型サービスと比べて初期投資を抑えやすい 日中のみのサービスで運営できる | 送迎業務など運営負担が大きい 稼働率が収益に直結する 人員配置や加算算定の管理が必要 |
デイサービスには、上記のような事業者にとってのメリットがあります。特に地域ニーズが高く安定した需要があることは大きな特徴です。
日本では高齢化が進んでおり、在宅介護を支える通所サービスの需要は年々増えています。自宅で生活する高齢者にとって、日中の介護や見守り、入浴支援などを受けられるデイサービスは欠かせない存在となっています。
また、デイサービスは居宅介護支援事業所や訪問介護、福祉用具事業所などと連携しやすい点もメリットです。地域の介護事業所とネットワークを築くことで、利用者紹介やサービス連携につながりやすく、事業の安定化にも寄与します。
さらに、入居型施設と比較すると、建物設備や人員体制の面で初期投資を抑えやすいという特徴があります。日中のみのサービス提供であるため、夜勤体制を組む必要がなく、運営体制を比較的シンプルに構築できる点も事業者にとってはメリットといえるでしょう。
一方で、事業者にとってはメリットだけでなく、運営上の課題もあります。
代表的なものが送迎業務の負担です。デイサービスでは利用者の自宅と施設の間を送迎する必要があり、車両管理やドライバー確保、安全対策などが運営の大きな要素となります。
また、デイサービスは稼働率が収益に直結するサービスでもあります。利用者数が少ないと収入が減少するため、地域のケアマネジャーとの連携や営業活動、サービス内容の充実など、継続的な利用者確保の取り組みが重要になります。
さらに、通所介護では人員配置基準や各種加算の算定要件など、制度に基づいた運営管理も求められます。これらの要件を理解し、適切に運営していくことが事業者には必要になります。


デイサービス(通所介護)を運営する場合、利用者や家族の満足度だけでなく、安定した経営を実現できる事業モデルを構築することが重要になります。
そのため、デイサービスの開業や運営を検討する際には、立地やサービス内容、人員体制などを総合的に考える必要があります。事業者(経営者)の視点で、特に検討しておきたいポイントを紹介します。
デイサービスでは送迎が基本となるため、立地と送迎エリアの設計は非常に重要です。
利用者の移動負担を減らすことはもちろん、送迎ルートが非効率になると職員の負担や車両コストが増えるため、経営面にも影響します。
地域の高齢者人口や競合となるデイサービスの分布を確認しながら、無理のない送迎範囲を設定することが安定運営につながります。
デイサービス経営では、稼働率の管理が収益に直結します。
一般的には、定員に対して70〜80%程度の稼働率を目安に収支シミュレーションを行うことが多いとされています。
例えば、定員30名の通所介護であれば、平均利用者数が20〜24名程度確保できると、比較的安定した運営が期待できます。開業前には地域の需要やケアマネジャーとの連携状況なども踏まえ、現実的な利用者数を想定しておくことが重要です。
現在はデイサービスの数が増えているため、サービスの特徴や強みを明確にすることも重要なポイントです。
例えば、
など、特定のニーズに対応したサービスを提供することで、地域のケアマネジャーや利用者から選ばれやすくなります。
通所介護の運営では、介護職員だけでなく機能訓練指導員や看護師などの専門職の配置も重要になります。
人材確保が難しい地域では、採用計画や職員の定着対策も経営上の大きな課題となります。安定したサービス提供のためには、無理のない人員配置と働きやすい職場環境づくりを意識することが大切です。
デイサービスは介護保険制度に基づいて運営されるため、実地指導や監査への対応も重要になります。
サービス提供記録や計画書、加算算定に関する書類などを適切に整備し、運営基準に沿った体制を整えておくことが求められます。制度対応が不十分な場合、加算返還などのリスクにつながる可能性もあるため注意が必要です。



デイサービス経営で特に重要なのは、実際のオペレーションを想定した運営設計です。
書面上の計画だけでなく、送迎時間や職員配置、1日の利用者数などを具体的にシミュレーションし、数値として見える化することで、経営上の課題が明確になります。
実際に相談を受ける中でも、「稼働率は上がったものの、加算算定ミスなどにより収益が伸び悩んでいる」というケースは少なくありません。運営改善と制度対応の両方を見直し、必要に応じて専門家のチェックを受けることで、より安定したデイサービス運営につながります。
自宅に住んでいる高齢者が日帰りで通い、生活支援と機能訓練を受ける介護保険サービスです。制度や加算の詳細は厚生労働省のページで確認できます。厚労省:介護保険制度の概要
一般的には、大規模1(大規模型Ⅰ)の事業所の方が多い傾向があります。
通所介護の規模区分は、事業所の平均利用延人員数(1日あたりの平均利用者数)によって決まりますが、非常に多くの利用者を受け入れる必要がある大規模2(大規模型Ⅱ)に該当する事業所は、それほど多くありません。
大規模2に該当するデイサービスは、広い施設や多くの職員体制が必要になるため、主に社会福祉法人や大規模法人が運営する施設で見られることが多いです。
一方で、大規模1は比較的大きなデイサービスではあるものの、大規模2ほどの利用者数を必要としないため、中規模以上の民間事業者でも運営しやすく、事業所数としては多い傾向があります。
そのため、通所介護の規模区分の中では、大規模1のデイサービスの方が一般的に多いといえるでしょう。
デイサービスとデイケアは、どちらも日帰りで利用する介護サービスですが、目的や提供する内容が異なります。
デイサービスは、正式には「通所介護」と呼ばれ、食事や入浴、レクリエーション、機能訓練などを通じて、日常生活の支援や社会交流を目的としたサービスです。
一方、デイケアは「通所リハビリテーション」と呼ばれ、主にリハビリテーションを中心としたサービスです。理学療法士や作業療法士などの専門職が配置され、医療的なリハビリを受けられる点が特徴です。
このように、生活支援や交流を目的とするのがデイサービス、リハビリを中心とするのがデイケアという違いがあります。
デイサービスの経営では、稼働率80〜90%程度を目安にすると安定した運営がしやすいといわれています。
通所介護は、利用者数によって収益が大きく変わるビジネスモデルのため、定員に対してどれだけ利用者を確保できるかが経営の重要なポイントになります。例えば、定員30名のデイサービスであれば、平均して24〜27名程度の利用がある状態が理想的な稼働率の目安です。
一般的に、稼働率が70%を下回る状態が続くと収益面で厳しくなるケースが多く、逆に90%以上の高稼働を維持できれば、経営は比較的安定しやすくなります。
ただし、急なキャンセルや入院などにより利用者数は変動するため、安定した稼働率を維持するためには、利用者の待機リストを作る、ケアマネジャーとの連携を強化する、地域ニーズに合ったサービスを提供するといった取り組みも重要になります。
このように、デイサービス経営では単に定員を増やすだけでなく、安定した稼働率を維持する仕組みづくりが成功のポイントになります。
下記の状況に一つでも当てはまる場合、早めの外部相談をおすすめします。
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デイサービスは在宅介護を支える重要なサービスであり、正しい制度理解と現場の工夫で地域に選ばれる事業所になれます。しかし経営面では「稼働率」「加算」「送迎効率」「人材」の4点が命運を分けます。これらは内部改善だけでなく外部専門家の視点を取り入れることで改善が加速します。
まずは現状を数値で可視化し、優先順位を決めること。運営指導対策や加算確認、稼働率改善の具体策を知りたい方は、弊社の無料相談や情報資料をご活用ください。
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